枝垂れ桜。

ネギの植え付け。

タイヤ交換。

パン工房。

/道祖神の祠に懸る枝垂れかな

/依り代や幣(ぬさ)に風吹く枝垂れかな

/春風や妹背の鬢(びん)を褒めそやす

/チューリップの蕾い~む~なぁやぁこ

/冬の荷を降ろしてタイヤ交換す

/布団干して天上奶風(だいふう)春の風

/庭のタンポポをひっくり返した。何の権利があって

/タンポポの庭にし咲けば扱がれけり

/木瓜が咲く目立たずに咲く藪の中

/なんとなくネギ科のものを集めみし

/毎日が思ひ出の記風薫る

/厨辺に俎板の音ネギ刻む

/ムスカリに生まれた子供が生まれたよ

/ネギ植ゑる藁苞(わらづと)を敷く圡寄せる

/饂飩に野蒜の具材春めける

/贅沢な具材野蒜の饂飩かな

/春風の従者となりてパン工房

(オマル・ハイヤーム)

おお、七と四*の結果にすぎない者が、

七と四の中に始終しじゅうもだえているのか?

千度ならず言うように酒をのむがいい、

一度行ったら二度と帰らぬ旅路だ。

 

ぼくはいま79歳だから、

さしずめ七と九───と云うふうになるのかな。

詩人にして哲学者。

しかし、酒好きだね(笑)。

イラン・ペルシャ───

オマル・ハイヤームを詠む。

放棄地にひとり花守。

春雨や…

/俤や炎(ほむら)と咲きし雪柳

/歳毎にきみの俤雪柳

義弟の祥月命日は3/29。

零下と云ふ寒い日であった。

庭には地の炎の如く雪柳が咲いていた。

/紅スモモ蕊となりゆく花の散る

/花の乱蕊なりゆくを見送りぬ

/花守のひとりとなりて花浄土

/ネギ買うて葱のトリセツ栞せし

/咲き継ぐや家族のやうにシクラメン

/水仙花玄関に置く家人かな

/カタクリの便り飯縄春の雨

/春雨の慈雨ともなりぬ芋の畝

/粗土を黒く湿らせ春の雨

/放棄地の野蒜をたのむオヤジかな

/春雨や窒素リン酸カリ御用

/台所に菜花をちょこと活けてみる

/アリシンのやさしき肌の野蒜かな

 

/あの人たちの云ったことはただの風だよ

/酒を飲もうよそれがこの身の幸だ(オマル・ハイヤーム)

戦のことは詠んでない。

 

倉石智證

おしなべて花の気持ちは分からんて。

里芋の畝を仕立ててマルチかな。

春雨や…

/春雨めや桃の花なと紅しぐれ

/石灯籠に背懸かる赤い椿かな

/したたかに頭を撃つや軽はずみ春の悪雪もんどりこする

/ついについにモーグルライン近づかず

今シーズンはついに一度となくコブ斜面には近づかなかったのです(笑)

/ノラボウナ翠はお湯を通しけり

/韮チヂミ畑に妻は出たついで

/花びらを梳き込む海にカーグ島

▲まさか佐世保から派遣されたアメリカの揚陸戦艦トリポリが

/昨日はヌタけふは葱焼き妻のワザ

/孫無きはホットケーキを妻と喰ふ少しの悔悟ホットケーキを

/たっぷりと蜂蜜ホットケーキの日春を呼ぶらむ老いの二人に

/いささかも野蒜はサケの当てならむ

/ムスカリの紫 螺髪(らほつ)めいて来て

/チューリップの蕾は数を待ち切れず

/水仙を七本ばかり植ゑにけり

/玄関で人待つヒルザキツキミかな

/ほつほつとジャガイモの芽うれしかり

/絹さやの蔓這い上る菟の眸

/里芋の畝マルチして春の雨

/葱苗を五十本ほど買い来たり

/腐(くた)すものあればそのまま花の雨

/ほー丹の蕾膨らむ頼もしや

開花間近もの、みんな心落ち着かなくする。

 

倉石智證