家族会と映画鑑賞と。
ぼおくらはもの喰ふ人らになりました。七時ころには集まるのです。妻はせっせと握りをこさへます。息子は上野に行って特上の珍しい部位の肉を仕入れて来ました。いいですね。娘がサラダを取り分けてくれます。大して話があるわけでもありませんが、とりたてて時たまわっわッと盛り上がります。乾杯ですよ~。なんとなく制限が解かれたやうな気持ちになって、そのうちだんだん調子づいて来るのです。4/1明日から春の交通安全週間だと云ふに、ついついオーバードリンクになってしまうのですね。
映画も観ました。『パリタクシー』です。80歳を超えたおばあちゃんの追憶をのせて、中年のタクシーのドライバーとのだんだんの会話のやり取りです。老いて幸福ばかりが在るわけではないが、施設へと向かうけふ、次第にしみじみとした交流になるのです。死は最期はひとりぽっちに。矍鑠としていたおばあちゃんも、入所後しばらくしてすぐに心筋梗塞であの世に。施設は清潔で閑かで人気が感じられない。訪れたドライバーの夫婦に、公証人が封書を手渡します。「あなたはきっと出掛けることになりますよ」。楽しかったとお礼の言葉ばかりでなく、まるで親族ででもあるかのやうに、遺産相続の言伝も記されていたのでした。
倉石智證


















