そして十日ぶりの帰郷。

/雪富士の気嵐われに問いただす

/干しトマト子に喜ばれあたたまる

/ほうとうや湯気独り身の顔隠す

/火曜日は秋刀魚の開きそれはそれ

/一陽来復過ぎて南瓜の黄なるもの

/座敷にも一陽来復陽の箭柄(やがら)

/交交の品久闊(きゅうかつ)を忘年会

/霜練れてほうれん草の甘からむ

/お湯割りの巳三杯を糺されて

/帰り来て吊るし柿揉むあたたかさ

/吊るし柿こう無からむをさみしがり

/澁ぬけて空真っ青になりにけり

/柿霜(しそう)浮かぶこう吹く柿に楊枝添え

/甲州は白根三山雪の富士田圃に立てば手を合わすなり

 

倉石智證