先日、無痛分娩についての相談のため、
埼玉医大総合医療センターの産科麻酔科を受診しました。
当日、産科麻酔医よりメリットデメリット、方法等が詳しく書かれたペーパーをいただけます。
(その用紙に医師が絵を描きながら説明してくれます。)
もし埼玉医大での無痛分娩を悩んでいるかたがいたら、
迷わず産科麻酔科を受診するのがベストかと思います。
以下は、私の備忘録としての情報です。
■埼玉医大総合医療センターでの無痛分娩実施割合
経膣分娩の6人に1人(16%)
年間分娩数 1078人(内、帝王切開率52%)
■無痛分娩にするか決める時期
陣痛が始まってからでOK
■無痛にする場合、麻酔を投与する時期
痛みが強まり、耐えられなくなった時点でルート確保、投与開始
(ルート確保には30分を要し、麻酔が効くのに30分要する)
陣痛が5分間隔になり、子宮口3-5cm開大した頃に始める事が多い
■良い点
他の痛み止めの方法より効果が確実
胎児への影響を認めない(ただ、多少は薬剤が胎児に流れるそうですが・・)
緊急帝王切開になった時、麻酔ルートが確保されているので時間がかからない
分娩後の回復が早く、体力が温存できる
意識ははっきりしているので、分娩中の出来事を全て覚えていられる
痛覚(痛み)はなくなるが運動能力や触覚能力はあるので、歩けるしイキめる
■おこりうる問題点(悪い点)
低血圧になりやすい
陣痛が弱くなった場合の陣痛促進剤使用率が普通分娩の2倍になる
鉗子分娩や吸引分娩が普通分娩の3倍になる(3人に1人の割合)
局所麻酔薬の血管内誤注入による痙攣や広範囲の麻酔効果
神経障害、感染、出血
埼玉医大総合医療センターは、
埼玉県で唯一の総合周産期母子医療センターだけあって、
当直時でも産科医4名が待機していて、そのうち1名が産科麻酔専門医。
産科麻酔専門医が常勤している病院は、全国でも珍しいそうです。
緊急帝王切開専用の手術室もあります。
従って、急に無痛分娩にしたくなっても、緊急帝王切開になっても、
常に万全の体制で処置してくれる安心感があります。
ただの麻酔医ではなく、産科専門の麻酔医に任せられる安心感はあるけど、
やっぱ怖いな、と思うのは鉗子分娩のリスク。
【鉗子分娩のリスク】
<母体>
会陰裂傷、膣壁裂傷、頚管裂傷、尿道膀胱裂傷、出血
<赤ちゃん>
分娩損傷(頭皮、顔面の皮膚剥離、眼損傷、頭蓋骨骨折)、
顔面神経麻痺、頭蓋内出血、頭血腫などが起こることがある
またこれらに伴って、黄疸、嘔吐などの症状が出ることがある
普通分娩でも10人に1人は鉗子分娩になるそうですが、
リスクを考えると・・・少しでも赤ちゃんにも自分にも傷が少なくて済む様にしたい。
※埼玉医大は、吸引よりほ鉗子がほとんどだそうです。
ちなみに、無痛分娩の人が鉗子や吸引分娩になる割合がなぜ上がるかというと、
痛みがないから、イキむのがお上品すぎるんだそうです。
普通分娩の人は、それこそ痛みと早くおさらばしたいから、死に物狂いでイキむんだとか。
事前に産科麻酔科の外来を受診している人は、カルテに「無痛分娩希望」という
ハンコが押され、陣痛が始まったら看護師、医師より無痛分娩どうする~?
って聞かれるそうです。
痛みで意識朦朧としている時に聞かれたら、プラス14万とか、鉗子がどうとか、
そんな事はすっかり忘れて
「無痛麻酔、やっちゃってください!」って言ってしまいそうです
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【会計】産科麻酔科 \1,180
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