愛され続けるヴィーガンカフェが惚れる自然栽培・レインボーバードランデヴー
サスティナブルをテーマに、2007年から中目黒にカフェを構える
「レインボーバードランデヴー」は今年で13年目。
美味しい野菜が食べられて、和やかなオーナー夫婦のお人柄もあり、ヴィーガン料理が広く広まる前からファンの多いお店です。
「シンプルなのがいい!」と言う、菅原裕之さん・雅世さんご夫妻に自然栽培野菜の魅力についてお伺いしました。
1、本日のおすすめお野菜メニューください!
東横線/日比谷線・中目黒駅から徒歩10分、「目黒銀座商店街」を進むと突き当たりにレインボーランデヴーはあります。(写真左・菅原雅世さん 写真右・菅原裕之さん、)
「その時の旬に取れたもので、特に定番を決めずにやっています」という本日のメニュー。
この日は「自然栽培の野菜のグリル・自然栽培の甘酒と塩麹ソース」(1,100円・税込、写真・下)をいただくことにしました。
丁寧にグリルされたお野菜が、彩りよく盛られたワンプレートがテーブルに。
野菜がモリモリです!
レインボーバードランデヴー名物の、
自然な圧搾法で作られた米油で揚げたソイミートの唐揚げは、サクッと・フワッと・ジューシーな食感でクセになりそうです。
本日使っているお野菜は、
「めちゃくちゃ甘い!これだけでスイーツ」と雅世さんが絶賛する白栗かぼちゃをはじめ、以下の自然栽培野菜がグリルに。
・白栗かぼちゃ(小泉ナミさん 青森県)
・ビタミン大根(菜園パーチェさん 北海道)
・新黒田五寸人参(Red Rice自然農園さん 京都府)
・門真蓮根(Red Rice自然農園さん 京都府)
・間引きかぶ菜(はる農園さん 青森県)
雅世さんのおすすめ、自然栽培のゴボウを使ったきんぴらごぼう。炒めて水分を飛ばしている間に、一般的なゴボウよりシャキシャキするのだとか。
どの野菜も今まで食べている野菜とは一味も二味も違います。
2、自分たちも地球にも持続可能なお店作り
-----居心地が良くて素敵なお店ですね。コンセプトを教えてもらえますか?
雅世さん
「今風な言葉で言うと、『サスティナブル』です。継続するということが、一番この時代に大事だと思っています。できる限り継続ができる形で工夫をしながら、自分たちの目指す形にすることがテーマです。
そのためには『どういうものを扱うの?』ということになりますが、自然栽培や有機など地球にやさしいものになりますよね。
食べるものによって、身体が変わるのはもちろん、心が変わる。
そうすると行動が変わりますよね?
いいものを食べればいい思考になるし、ネガティブなことも考えなくなる。
楽しい気持ちになって、人の幸せは祈るし、自分も幸せになりたいし、そういう人間として当たり前のことができるようになってくる。
買うものの全てが『ポジティブな投票』に代わっていきます。
目に見えないけど確実に、ここで食べることを通じて世の中が変わっていくんですよね。」
-----お二人はどうして自然栽培野菜を取り入れたのですか?
雅世さん
「ずっと続けていけるやり方だからですね。
先程の話の(持続可能な世の中を作っていく)ためには、自分達のお店から続けていかないといけないと言う前提があります。
そのためには、提供する食べ物・洗剤・包材も全部考えて選ばなきゃいけない。
自然栽培は一番シンプルです。農薬だって使わなくていいなら使わない方がいいし、なるべく手をかけない方がいいんだったらそっちの方がいい。
ただ、農薬をかけた方がいいというロジックもある。そんなことは取っ払って、事実として自然栽培ができているのであれば、それを求めるのが自然なことですよね。」
裕之さん
「自然栽培・特別栽培・オーガニックなどは定義があいまいなところもあります。
そうとなると『どこから買うか?』となるわけだけど、僕たちは畑に行くことは物理的に難しいので、信頼がある上で買います。お客様にも自分たちを信頼してもらいたいから。
自然栽培の仲間たちは、野菜についても生産者さんについてもよく知っていて、スタッフが直接お店に携わってくれるので、信頼できていいですよね。
それに、一生懸命やってるのが伝わりますよね!
(自然栽培の農家さん自身が)自然の中で栽培するのも大変だし、真剣勝負じゃないと続かないでしょ?真摯にやってないとできない。」
-----確かに、自然栽培は一般栽培よりリスクが高いです。自然に流されるまま、それにプラスして、どう手をかけるかにかかっています。
そんなリスクが多い自然栽培をどういう農家さんがされているかというと、
銭勘定だけではなく、何かしら社会的な意義に対して挑戦してる方々ですよね。
----------お客様に対して飲食店、生産者という立場が違っても、主義を持って取り組んでいるところが、自分たちと同じだと感じているのですね。お客様の反応はどうですか?
雅世さん
「食べて美味しいというのが一番だと思っています。なので、インスタ映えのような、あれが食べたい!というような、固定のメニューがうちは多くありません。
それでもお客様が足を運んでくれてるのは、信頼関係があるからかもしれません。
あそこに行けば、美味しい野菜が食べられると。」
-----実際に、自然栽培の野菜を料理していてどうですか?
雅世さん
「いい意味で個体差があるのが私が好きで、同じ畑のにんじんでも違うし。違う方がいいと思うんですよ!
当たり前のことってあるじゃないですか?人間もですけど違うことが当たり前ですよね。
うまみがあるとか、グリルすると最高に美味しいという自然栽培の良さは大前提として、差があるということは楽しいですよね!調理する側も。
もっともっと自然栽培と仲良くなりたいです。
自然栽培は他とは全く別の野菜だと思ってもらって、その中で向き合ってもらうのが一番いいかな。」
-----料理の腕は美味しくない野菜を美味しくするための技術が多くなってしまって、素材を活かす技術が減ってきていると言われます。
今までに学んできたことと違うことをしなければいけないので、料理の原点回帰とも取れますが、お二人のようにそれを楽しめるお考えはとても素敵ですね!
3、自然にたどり着いた自然栽培という選択
これからは自然栽培野菜だけで作ったお弁当のデリバリーもチャレンジしたいとおっしゃる菅原さんご夫妻。
ケータリング・お弁当デリバリーも行ってるそうなので、いろいろなシーンでヴィーガンや自然栽培野菜のご飯が楽しめますね。
物事をシンプルに捉えて、
地球・自分たちのために良いと思う選択をした結果、
自然に自然栽培にたどり着いたということがお話から伝わりました。
その選択をぶらさないからこそ、
お客様から「今日も行けば美味しい野菜が待っている」そんな安心感があるお店になって、
ファンが増えているんですね。
ちなみに、お店にはSustainable Eatery MAP(サスティナブルイータリーマップ)が置いてあります。
ベジマップとは、
ヴィーガン(原材料に肉、魚介、卵、乳製品、はちみつなど、動物に由来するものを食べない)や、
ベジタリアン(原材料に、肉、魚介、それらの由来するものを食べない)の方にも対応したメニューを提供している飲食店の情報マップのこと。
ベジマップは沢山ある中で、このマップは何が違うかというと、
「環境・地球に優しい」というテーマが含まれている点です。また、人の身体にもやさしい食事を考え、化学調味料不使用も掲載項目に加えたところも特筆すべきところです。
掲載店のお店がそれぞれお金を出し合って作った、想いの込められたマップですので、お店に行かれたらぜひ手に取ってみてくださいね。
レインボーバードランデヴー
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記事内容は取材当時の状況になり変更になっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
〜Writer〜
岩田 絵弥曄(いわたえみか/Emika Iwata)
ベジタリアン・ビーガン・オーガニック・グルテンフリーなどのみんなが食べられるヘルシーな食のフードライターとして活躍。地域のベジの名店からミシュラン掲載店まで幅広く案内することで定評がある。
また、保育士経験から子供たちの未来を守るため、食の安全についても取り組み、オーガニック・自然栽培などの食材の普及活動も行なっている。増加するインバウンド対策での食のバリアフリー需要や、アレルギー・環境問題から、ヴィーガンに関するアドバイザー・コンサル・イベント企画を行う。
2019.11日本経済新聞社主催、大規模農業サミット「AG/SUM」にて、「世界で広がるヴィーガンムーブメントの衝撃」で登壇。
2019.10業界初ヴィーガンカップラーメンコンセプトカフェをプロデュース、Tokyo FM系列メディアコミュニケーションズ運営・銀座nu dishで期間限定オープン。メディア・TVで取材多数。