王様の耳は驢馬の耳 | 王様の耳はロバの耳

王様の耳はロバの耳

普段口には、しないで
済んでいることを
こっそりと、呟いて…

人は、誰もが
愚かしくも、
あまりにも、簡単に

与えられ具えていた、
徳や尊厳を自ら失くし
迷ってしまうことを
私が忘れぬ為に書く
普段は口にしないこと。


世界は
思っているより
大きいし、
また、狭くもある。

この当たり前を
知ったつもりで
その身に心にストンと
得心、理解、及べぬ者が

この当たり前を
紋所のように
用いては

縁を切るとか
切らないとかを
やたらと、
口にしてみせて
今の己のあり様を晒し

そんな己に
感化されずに
流されずに
脅かされない者と
対峙しては
不思議に思い
問いかける。

ソコに自分とは
違う存在を見出して

世界は
思っているより
大きいし
また、小さくもある

当たり前の
紋所を引っ込めて

誰に会わなくて
平気なのか?と

ソコに在る
自分とは違う者に
問いかける。

世界は
思っているより
大きいし、
また小さくもある。

縁がある者は
邂逅することもあれば

縁のない者は
再び出会うことがあっても
邂逅することもなく

毎日のように
貴方の前を通り過ぎる
多くの存在となんら
変わることなく
通り過ぎてゆく。

過去に同じ処に
共に立ち
笑い合った日々が
有る者でさえも

再び出会ったからと
邂逅することは稀なこと

どんな想いを有していても
双方が想い合っていても

再び出会ったからと
嘗てのような邂逅が
ソコに生まれるとは限らない。

過去に囚われ
過去にすがり
過去を夢見て
過去に引き摺られている者程

再び、出会ったとしても
嘗てのような
邂逅がソコに生まれぬことに
否応なく
気付かされてゆくだろう。

そうした者にとっては
いっそぶつかり
傷ついて、夢も希望も
破れてしまうことが

未来を今を
生きるために
大切なことに成るのかもね。

自分の想い気持ちを抱えた
自分の世界に引きこもらずに
この世の現実を観て

自分とは違う存在と云う
数多の存在、
多く多くと
この世のソコにて
自ら出会い寄り添って
心の扉を開ける者なら

無駄な傷を負う必要もなく
自ずと気付ける
当たり前。

この世の今、
ソコに在る
己がありよう
そのザマを俯瞰して

今の己が
今の己自身を調えて
今、ソコに
自らが在りたい姿で
あれるように努めて

人は個で或る
唯一無二の
自分という存在を
この世のソコで
己が有していることに
気付くことが適うのだろう。

人との出会いは
自らがこの世のソコに
在ることに
気付くことが
出来ない者には難しい。

だけれども
自分と云う存在を
今、この世のソコで
自らが有していることに
気付ける者にとっては

この世の何処其処、
何時いかなる時も
自らの周囲に在る存在に
自ら出会うことが適う。

その相手が
こちらを振り向かずとも
今、その瞬間
ソコに居なくても

この世のソコに
一人立つ、貴方が、
ソコから、心を馳せて
遠くを偲びては
ソコにて、貴方は
貴方が選んだ誰にでも
出会うことが適う。

再会を求めて
何かを期待し
あさましく、欲深く、
過去に浸り
過去にすがろうと
願うよりも

再会を求めることなく
其々に想いを、馳せて
今を、生き

巡り続ける縁の中
期待もすがりも
欲しもしていない時に

たまたま
通りすがった方が

気持ちよく
晴れやかに
その後を生きれることもある。

元気そうだったな。と

他者の喜びを喜んで

同情、共感が
出来ることの良い一面を
知ったつもりになって
 
憐れむことばかりに
同情、共感を覚えるような
欺瞞的な、在り方を
していれば

他者の幸いを喜べず
羨みながら
鬱に成る。

鬱は誰もが
とても簡単に
罹患する。

同情、共感 
感情移入することで
感染ってしまう。

悶々もやもや
ソワソワ、焦れては
イライラ、
漠然とした不安に魘われる。

そんな不安、焦燥を
抱えている貴方が
この世のソコで
今の貴方とは違う
明るく幸せに包まれて
朗らかに笑う者を見て

救われることがないのは
貴方がソコで 
誰とも出会うこと適わずに
独り無明の虚無の世界に
自分自身を追い遣って

この世では
貴方とは違う存在と
貴方が邂逅出来ることで
ソコに在る貴方を
救うということに
気付けずに

貴方は自分に囚われた
鬱病の症状そのままの
在り方で

それでも自分のことは
自分が一番分かっている。と
独り寂しく思っている。

世界は
思っているより
大きいよ。

そんな大きい世界は
思っているより
小さいよ。

貴方に残るモノが
とても大切なことに
貴方が気付けず
失くしたモノを追い続け
過去に囚われ
過去にすがり

そんな在り方を
している間、

邂逅出来ぬ
無明の虚無を
迷い続けてしまうことは
残念なことだ。

そんな時だろうと
必ず、ソコには
貴方とは違う存在が
ソコに在るだろうに。

ソコにあっても
素通りする貴方は
さながら、

足ばかりか
身体まで透けた
幽霊のような
有り様なのだろう。