王様の耳は驢馬の耳 | 王様の耳はロバの耳

王様の耳はロバの耳

普段口には、しないで
済んでいることを
こっそりと、呟いて…

人は、誰もが
愚かしくも、
あまりにも、簡単に

与えられ具えていた、
徳や尊厳を自ら失くし
迷ってしまうことを
私が忘れぬ為に書く
普段は口にしないこと。


「わるいことは
 言わないから…
 わたしの云うことを
 聞きなさい」

現実世界で
誰かに向かって
このような台詞を
吐いてしまう人に
出会った折には

そんな言葉を
かけられた者は
そんな台詞を吐く人の
芝居がかったありように

まるで衆人環視の前で
土下座でもされたかのように
引いた態度で
自らの体裁、体面
世間体を取り繕って

そんな場面に
出くわした第三者は
見てはいけないモノに
出会ったように

目を伏せて
知らず存ぜず
そんな一部始終を
見なかったことにして

今の己が在り方を
自己責任もって調えて

双方の立場
想い、気持ちを
透過しては

自らが想いに発想を
口にすること憚って

黙し忍び
喪に服し
供養を捧げるように
偲び悼み

両者に寄り添い
己が想い気持ち発想を
一人黙って昇華して

この世の現実
今、ソコを
一人、忍び歩いては

独りでは越えれぬ
山を越え
須弥山へ向かって
一人歩いてゆくのだろう。

誰かに、呼び止められ
共にゆこうと誘われて

自らが、選びゆこうとした道を

誰かに、誘われたからと
こう言われたから、
だから、と

この世の現実
今、ソコで
自らの言動に選択に
自己責任を背負わすことなく

優しさのつもりで
拐かす。

その優しさ、情けは
他者のために成ることはなく

「わるいことは
 言わないから…」と
誰かに、情けをかけた者が

そんな誘いに乗らない者や
一時、共に
手を取り合っていた筈が

気付けば
自分とは同じ道を歩まずに
いつしか離れ行く者を

変わらず、偲び
寄り添い
情けをかけれるか

欲におかされ
甘え執着依存せず

自らの手を
取らない者に
変わらぬ情けを持ち続け

自ら一人で歩む道道の
節々に、自らが一人歩んだ道を
振り返り

もう見えなくなった
迷いの海遠く
想い出しては
偲び悼み弔っては

そんな今の己の
想い気持ちを
己が内に一人秘めて
大切に護ること適えては

この世の現実
今、ソコで
チクリと傷み患った
傷を痛みを治療して

自愛(慈愛)を自ら育んで

人という生き物が
この世の現実
人として生涯を
まっとうするために

各々が行うことは
一緒なんだ。

だから人は
己が欲に犯されず

自らがエゴ、我、欲を
この世にて忍んで

広く多くに
寄り添って

自ら独りでは越えがたい
山道を

欲に犯され
振り返らずに
歩んでゆくことが
敵うのだろう。

「悪いことは
 言わないから…」と
今、ソコで
漏らしてしまう者が
有り様に

そんな声をかけらては
迷い葛藤苦悩の渦に
その身を落とす者を見て

その双方に寄り添って

どう生きるにせよ
自らがこの世での言動に
自己責任を持てずには

人として
この世に在ること敵わない。

誰もが歩む人の道
透かし見るように透過して

自らが感傷疼こうと
己が情けは他のためあらず
自らの弱さに荷担して

自分とは違う存在との
この世での邂逅を
己自ら妨げて

独り侘しく寂しく
孤独な心細さ、
そんな己が欲を膨らませ

自業自得 因果応報

己が欲が
過度に膨らまし科し
自らが生成してしまった
己の要らぬ業が責任を
自らに科して

己が弱さに荷担して
己に与えた天罰
自業自得 因果応報
今の己が感じる
苦しみ迷い葛藤苦悩

自らが責任を
自ら果たすことなく
背負うこと敵わずに

弱音、弱気、泣き言溢し
情けなくも不甲斐なくも
今、ソコに至るまでは
我慢してやっていたんだ。と

自ら己を挫き
自らが務めるべきことを
自ら、すげ変えてしまえば

目指していた筈の
一つ星の下には
いつまで経とうが
何をしようが
独り辿り着くこと敵わない。

人として
生きるためには

人として、
今を生きている者は
今、同じ想い気持ちを背負い
忍び堪えて生きている。

それを 今の自分が
一人、信じて
務め積んで生きれているか

自らの足下
灯台下暗し

自らが足
地に着かず

誰もが歩く人の道の
今、何処を
自分が歩いているのかを

己が欲が邪魔をして
見えず
分からなくなっている者の
今、この世のソコでの
あり様は

幽霊絵図が如く

地に足着かず
己が欲のために
前のめり

形振り構わず
ざんばら髪があり様を

自ら、ソコに晒しては

人として、何かを背負い
忍び務め積み渡る者が舟に

甘く優しい言葉を吐く
自分に酔って
芝居がかった台詞を吐いては

自らが、柄杓で
他所の舟に水を注ぐ
舟幽霊

マーラの如きあり様で

自らの優しさ汲まず
誘いにノッてくれぬ者に
向かって
 
今の己が本性をさらけ出す。

そんなありようさらけ出し

見かねた誰かが
情けをかけて
自らが業を背負い

「悪いことは
 言わないから…」と
声をかけられて
 
目を覚ますこと敵わずに
己が恥に気付けずに

自らに歩みよって
そんな情けをかけてくれた者の
それを情と受けとめれずに

嘗められ馬鹿にされたと
嫉妬して
競い争い張り合うように

自らこそが
他者に情けをかけていたと
弱い己を自ら誇示し

自らは情けを情けと
捉えるけれども、と
口先だけで

歩み依り業を深めた者の
情けを 受け止めることもなく

自らの情けを情けと
受け止めない者が居るから
自らの誘いに
のらない者が居るから

だから自分は
自らに注がれる情けを
今、受け止め、
己が罪業を背負うことよりも…と

自ら感ける真似をして
人は誰もが
己が弱さに荷担して

誰かを自分と同じところに
引き摺り込もうと試みては
次第に人としての
正気を失ってしまう。

自らが他者の行いを
情けと捉え受け止めること
敵わずに

地に足つけて
踏ん張ること敵わずに

地に足着けれず
簡単に拐われ流されて
迷ってしまう。

釈迦の手のひらの上で
自らが他者の情けを
情けと善かれの想いと
信じ堪えること敵わずに

自らが邪念に囚われて
自らを顧みることもなく

この世に居わする
同じ人を

人は己が鏡と云うことすら
もう信じることもなく

今の自分の内面を
自ら転写して

今の己が、今ソコで
どのような存在であるか
あろうとしているかを
赤裸々にさらけ出す。

変なヤキモチ
嫉妬の炎
侘しく寂しく
孤独な心細さを
抱えたままの迷子が独り

今、この世のココに今、
このような自分が居る。と
叫び訴え誇示するように

そんな己の境遇に気付き
優しく寄り添い
手を取って
その苦しみから
救い出してくれる者を
求めているかのような
あり様で

自らが差し出す手を
握り返してくれない者は
自分の優しさに情けに
気付いてくれない。と憤る

握り返してくれる者なら
施し甲斐もあるけれど

そんな相手ばかりを
自らが選り好みして

差し出す己が手を
握り返してくれない者に
向かって

「悪いことは
 言わないから…」と
自らが、業を深めて

その手を握り返さぬ者を前に
自らが勝手に業を深めた分

自分がここまで
してやったのに
それでも握り返さぬなんて…と
鬼の形相 愛憎を滾らせ
己が欲を膨らませれば

天地は逆さまに
ひっくり返り

何処に立って
何を誘い求め欲して
しまうのか

先ずは、貴方自らが
ソコを、一人で越えて
元居た筈のところまで
昇ってゆかなければ

貴方の情けは地に落ちて
憎悪と云う汚泥にまみれ
貴方自身を汚すだろう

そのまま何かを試みることは
己が墓穴を掘ることに
通じてしまうのだろう。

自らが、何かに感け
人として、今、
その瞬間を、生き抜こうと
自ら一人、忍び
務め積むこと敵わずに

誰が、何が
どうだからと
自らが、誰に、何に、
拐かされ、誘われる者と
成り果てて

今、人として
生き抜くこと敵わずに

金剛力士のように
不動に見えていた者さえも
業火に包まれ
情けを怨憎へ変え

たちまちのうちに
幽霊絵図が如きありようへと
姿を変えてしまう。

生涯を共に
四六時中
傍らにあるならば
補助も出来ようが

夫婦でさえも
そんな風には生きられない。
ほんの一時、その間に
誰に、何に、出会うのか

誰に、何に、出会って
今、ソコで、各々、其々
何を、どう捉え想い
何をどう振る舞うのか

誰かと居れば
最低限、調えて
独り、腐り、
傷を独り負うことも
減るかも知れないけれど

独りで居る時に
陰に陰に籠もるように
嫌嫌、渋々
煩わしさを感じながら

誰かや何かに接しては
独り要らぬ傷を負い
明るい陽の射す場所に
独りでは帰れなくなる者も居る。

明るい陽の射すところから
差し出される手を
握り返せぬ者も居る。

要らぬ業に責任を
罪を独り背負い
無明に虚無に
迷い苦悩し
葛藤してゆく者が在る。

人のこの世の苦しみに
目の前で溺れる者を
すいすい、ソコを泳げる者が
助けようとしても

誰かに引き止められたり
溺れる者が最低限
云うことを聞いてくれないと
助けることが
出来ないことがある。

泳げる者が欺瞞に溺れ
傲ってしまえば愛憎滾り

泳げる者が
己が傲りを知って
己が不徳、ソコに至るまでに
他に出来たことがあった筈と
己を恥て、虚しき
無念を抱え

その時々のありようにて
ソコから先の道は
其々、分岐し分かれてゆく。

誰もが、独り無明に迷い
悩み苦悩し葛藤し
今、ソコで自ら
何かを選び生きてゆく。

自らが、ソコで
選んだ選択に
自己責任をもって
悔いを迷いを残さずに

傲りを捨てて
今、ソコで
ソコに至るまでに
出会った誰かや、何かを
想い出しながら

今、同じように
迷い葛藤苦悩しながら
一つ一つを選び
積んで生きてゆく姿を
その背を偲んでは

誰かや何かに
今、ソコで寄り添い
支えられ生かされて

人は回帰し恥を知る。

欲と云うモノが
恐ろしさ

人であるモノを
醜い姿に変えてしまう。

ほんの些細な選択が
違うだけで
うねりくねった道をゆく。

全て具わっていたのにね。
自我を誇示すればする程に
自業自得 因果応報

要らぬモノを背負ってゆく
自らが今、背負っているモノを
不服に思って
他所の誰かを羨んで
今の自分を腐らして
独り消えない傷を負う。

そうせぬように
生きる術を知りつつも
自我が邪念となって
邪魔をして

この世で
誰かや何かが
助けてくれることを
望みながら

差し出される手
他者の情けを行いを
情けとして受けとめて
自らが業に罪を背負ってゆけずに

独りその場で人知れず
消えない傷を伴って
無明の混沌
欲望渦巻く世界に迷う。

欲が我が強い者ほど
自らが執着しているモノが
失くなってやっと
自らを解放し救われることもある。

何が救い成るのかは
人それぞれ

この世界は優しくて
どのような生き方を選んだ者も
気付きを、キッカケに
救われるようになっている。

自らが抗う程に苦しんで
嫌がる程に
避けようとする程に
引き摺り込まれるモノがある。

ああは成りたくない。と
思って生きれば
それに寄り添うように
柵に囚われるように
近付いてゆく。

軽んじることなく
想い遣り
悼み偲んで弔って
先の幸せ、成仏を願って
自ら昇華し浄化して

垣根、柵何もなく
ソコに、人の鏡が在れば

いったい何を
透かし観て
今、どんな想い気持ちを
抱えて、何を
自ら、選んでゆくのだろうか

この生涯にて
成仏を成せたことを
知れども

人は留まり
傲れば地に落ちる

自ら、この世の九界を
行ったり来たりしながら
誰かや何かに又出会っては

試練のように
その時、その瞬間
今の自分がどのような者として
ソコに立てているかを確かめる

そんな繰り返しの日々の中
出会う誰かや何かとの
一期一会の邂逅

誰かや何かが
どのようなモノで
あろうとも

自らが人として
務めることは
変わらない。

その出会いが度に、
自らが自我
欲におかされることなく

一期一会と
精進させて貰えることは
有り難い。

何も絡まることもなく
何かが絡めれると
欲する者が哀しみ無念が
憐れに映る。

最後の一人に成ろうとも

誰かや何かを呪ったり
自分に同情し
生きている己を
その境遇を呪ったり

無駄に自分を
己が欲のために
傷つける真似をせず

生ある内は
誰かや何かを偲び
寄り添って

己の身が朽ちる
その瞬間も
自ら、人としての
尊厳を護り
生きてゆきたいね。