フリーダム
しょぼレコーディング・・・なんの制約もなく空いた時間で納得いくまでの作業・・・
も架橋に入ってきた。今回ゲストで国分寺エクスペリエンスのヴォーカル「おちょこ」
に一曲入ってもらったのだが、これがほんとすばらしい。
口幅ったいのだが、おちょこにコーラスつけてもらっただけで、それまで客観的に
なれなかった自分の曲が「名曲やん!」と思わせるほど、息を吹き込んでくれたのである。
大西いわく「おちょこはフリーダムを獲得してるよ!」まさにそうなのだ。
画用紙の外にまで絵を描いてしまうんだなあ、きっと。
そもそも、音楽をやるものは皆、自由のはずなのに。
技術やスタイルを習得していけばいくほど、自ら型にはまり、制約だらけの音楽をつくる。
以前20代の若い自主制作盤を聞かせてもらったときに愕然とした。
今は機材さえ揃えば、誰でもプロ顔負けのサウンドでCDが作れる時代、
だからこそ自主制作なんだから!制約がないんだから、市場に出回っているものではない
ものを目指してもよいのに、大手産業の売れ筋サウンドとなんらかわらないシロモノ。
言い方を変えれば、技術もサウンドも市場に出回っているものと、何の遜色もない。
でも、それをあんたがやらんでもいいでしょう?と言いたい。
なにも奇抜である必要はないけれど、人は自分の気持ちのいいものを素直に追及していったら
千差万別になるのが自然なことだと思う。
でもCDを作ったからには売らなきゃならない。そこに何らかの「お約束」を盛り込まなきゃ
ならないのも事実。その境界線を突破して
「フリーダムを獲得する」のは、よっぽど無神経か天才じゃないとできんよ。いや突破したい!
京都、今日途
あっという間に一週間前の話になってしまったが、
忘れずに京都のことを。
ひとり前ノリした私は、早朝から大徳寺へ。何を思ったか全く興味のなかった庭園てやつを
見に行ったのも、岡本太郎が「日本の伝統」という本で独自に展開する論評が面白く、
それを確かめに行きたかったから。
平日の朝で、誰もいない石庭をひとりぼーーーっと眺める優雅なひととき。
これといった感慨もなかったけど、砂と石組で創られた「大海原」からは潮騒が聞えてきた。
「世は満足じゃ」と踵をかえすと、坊さんに呼び止められ、
「どこから来なはった。ゆっくりしてきなはれ」と茶室に呼ばれ、「姿勢が悪い」と説教が始まり、
しまいには石庭がよく見える法要の間で座禅を組まされた。
「どうせ限りのある人生。長く息をすることを習得すれば、こころが善くなる。心が善くなれが顔が善くなる。
茶道にしても、全てはこれを習得する為にある」と達磨さんの説法が始まった。
一瞬「これは勧誘か?」と思ったが、たしかに座禅の正しい姿勢を保ちながら長く呼吸を整えていると、
眠れなかった深夜バスの疲れも吹っ飛んだ。ヨガにしても、この呼吸法というものを
習得するためにあるのだろう。お礼をして次は岡本太郎酷評の天竜寺へ。
岡本太郎が言ったからではないけれど、そりゃあ天竜寺は酷いものだった。
観光地化しているというのが大きいが、庭園を見ても大徳寺の後では手抜きとしか思えなかった。
ここが世界遺産とは、世界遺産というやつがどんなものか分った気がする。世界遺産は
『世界遺産』という名の会社で、世界そのものを遺産にしようと企んでいるのだな。
今度は逆に岡本太郎絶賛の「苔寺」に向かったのだが、何年前から一般の拝観が出来なくたっていた。
くやしい!だがしかし今回の旅は定番の銀閣寺~興福寺、祇園周辺を散策できて
初めて京都らしいものに触れたような気がする。
え?肝心のライブは?えー、そりゃもう最高でした。
京都の「拾得」といえば東にも名の轟く老舗の名ライブハウス。こんな場所でこんな
弱輩ものが出演出来たのも、浄土真宗坊さんたちの企画の賜物。
同じくゲスト出演した豊田勇造さんも15年ぶりくらいの再会であったが
(正直前回のことはあまり記憶にないのだが)、すんばらしい演奏でした。
その豊田勇造さんは、タイを始めアジア各国をよく旅している方。
彼のMCが印象に残った。
「チベットの国の人は感情や意思表示を強く出すことを、あまりよしとはしない。とくに坊さんはそう。
その坊さんたちがあれだけのことをしたってのは、よっぽどのことやったんやなあ、と思います」
カルダモン
シリア帰りの元ベルクスタッフが、
一時帰国でうちに滞在中。
土産のカルダモン入りコーヒーを飲ませてもらう。
好き嫌いははっきり分けさせると思うけど俺は大好き!
シリアは今日中日向の最高気温が47度。
でも日陰なら湿度もなくなんとかやり過ごせるらしい。
このカルダモンコーヒーを飲むと、異国の風が吹きぬけるよ。
暑い一日の始まりを、なんとかやり過ごす
束の間のオアシスが浮かんでくる、ような気がする。
明日から京都。明後日4日は京都「捨得」というライブハウスでSOSOライブ。
京都は久々!楽しんでくるっちゃ。