遅くなりましたが、
9月6日に舞台「転校生」無事千秋楽を迎えました。
斬新な演出は全て新鮮で、楽屋から舞台上へのスイッチの切り替えや
リアルな日常的な会話の中で自然な女子高生らしさ追求したり
舞台に立ちながら、映画監督さんたちに映像も撮っていただけるという
豪華で貴重な経験をたくさんさせていただきました。
6月末にオーディションがあったのですが、
その中で見えない縄跳び(実際に縄はないんです)を分けられたグループのみんなのアイデアで跳ぶというエチュードがあったんです。
私がいたグループはみんなで八の字で跳んでいく大縄をやりました。
周りの子達が「はいっ!はいっ!はいっ!」って入るタイミングを声かけしてくれていたのにも関わらず良きタイミングで入れなくて
「今の引っかかったよ~」と毎度言われたのがオーディションの一番の記憶で…(あぁ…運動神経悪いのバレたぁ…やっちまった)とずっと心の中で呟いていました。
この話を本広監督にしたらですね、「覚えてるよ!お前がおっちょこちょいなのは最初から知ってるよ!!!」と言われました。
覚えていてくださって嬉しかったんだなぁ。
とにかく、オーディションではそんなことがあったので楽しかった思い出と同時に
果たして私が合格して、21人の中に入れるのか…と不安に思う気持ちがありました。
だから受かった報告を聞いたときは本当に本当に嬉しくて。はやくみなさんにお伝えしたくて。
これはパンフレット撮影時のインタビューでも言いましたが、夢なのか現実なのかわからなくてずっとふわふわした状態で過ごしていました。
でも撮影をしたりキャストが発表されたり、2015年版の台本を手にしたり…
とひとつずつ物事が進むたびにそれが現実味あるものに変化してどんどん実感が湧いていったんですよね。
夏休みなのに毎日学校へ行ってるような気分で。稽古場には机とイスがあってみんなのキラキラした笑顔が待っていました。明日学校行くのが楽しみだな~って言ってた高校時代の気分を味わいながら。
休憩時間も打ち合わせをしたり、みんなと台本を読みあって台詞を覚えていったり、、そんなみんなから発せられるエネルギーが好きだった。第二の青春でした。
本広監督を始め、たくさんのスタッフの方々に支えられアドバイスをいただきながら共に作り上げた作品でした。
まだ羽ばたく前の危うい私たちを、大人の方たちがずっと暖かく見守ってくださいました。だからこそ素敵な千秋楽を迎えることができたのだと強く思います。
舞台って同じことをしていても毎回変わる空気感が魅力だなぁと私は思うのですがまさに転校生はそれを象徴するような舞台で、演じているこちら側も公演ごとの空気感を日々肌で感じていました。最後まで見届けてくださったお客様の暖かさといったらもう。。。みなさん素敵な笑顔でカーテンコールを迎えてくださり、鳴り止まない拍手の中ステージに立てることの幸せをしっかりと噛み締めていました。私が舞台に立ちたいと思う本当の意味をふたたび確認した時でもありました。
やはりお客様あってのお芝居だな、演劇だな、って。こうして見てくださるお客様がいて成り立つものだと、決してひとりじゃないんだと考えていました。
そしたら嬉しくて涙が溢れてしまって…
あれ、おかしいなぁ~この間絶対舞台上では泣かない女優になるって決めたはずなのに…と思いつつも
お客様ひとりひとりのお顔を見ていたらとめどなく流れてきて仕方なかったのです。
長いようで一瞬にして過ぎ去っていった2015年の夏。20歳を目前にこのような貴重な経験をさせていただけて、本当に嬉しく思います。これから先の糧となりました。
本広監督、オリザさん、そして転校生に関わってくださったスタッフのみなさま、
ご来場くださったみなさま、
遠くからでも応援してくださっていたみなさま、
そして富士ヶ丘高校の愛すべきキャストたち。
本当にありがとうございました。
生きてきた中で最高の夏になりました。一生の宝物です。
キャスト全員に配られたメッセージ入りのフォトブックと。これも大事な宝物です。
これからも「21世紀に羽ばたく女優たち」という名に恥じないよう気を引き締めて精進してまいります。この感謝の気持ちをお芝居でお返しできるよう走り続けていきます。
ふらふらと寄り道しがちな私ですが、これからも暖かく見守ってくださいませ。
21年前の初演のように
10年後、転校生が伝説の作品となっていることを願って…。