大抵の人はそうだと思うが、何があったかは覚えていても、それがいつであったのかは覚えていない。
自分の名前を書けるようになったのはいつなのか、初めて逆上がりができたのは何年何月何日なのか。
さっぱり分からない。
麻原がマイトレーヤだと言った事も同様に、それがいつであったのかはかなり曖昧である。
ただ、麻原が唐突にそう言った言葉は衝撃的で、鮮明に記憶に残っている。
「私はマイトレーヤだよ。」
あの言葉は一生忘れる事はないだろう。
たしか説法の後の質疑応答であったはずなのだが、肝心の説法の内容はすっかり忘れてしまっている。(笑)
さて、オウム関係者にとっては常識だが、麻原のホーリーネームはシッダールタである。
当時麻原はパイロットババに弟子入りしたのだが、神仙の会の会員誌にはこのように書かれていたと思う。
聖者は私の耳元で囁いた、「名前をあげよう。シッダールタ。」
なのだが、麻原は自分が釈迦牟尼の生まれ変わりだとは一言も言ってはいない。
で、これまた常識なのだが、麻原は自分の前世はパドマサンバヴァであると言っていた。
しかし、ここでも麻原は自分が釈迦牟尼の生まれ変わりであるとは言っていない。
シッダールタは釈迦牟尼の本名であり、パドマサンバヴァは釈迦牟尼の生まれ変わりとされる。
そして、件の説法となる。