茂木健一郎がテレビで面白いことを言っていた。
「脳科学の分野では、人間には自由意志はないと考えられているんです。」
これは前にも聞いたことがあった。
海外の研究者が実験によって確かめたのだが、人間が何かを決定するときに、脳の意思決定をする部位に信号が流れる前に、一瞬早く意思決定とは関係のない部位に信号が流れているというものである。
茂木健一郎はこれを、人間が意思決定をする前に、脳の中で答えが決まっていると説明していた。
そして、麻原はこれを、脳はただの受信機に過ぎないと説いた。
コーザルからのデータを受け取って、その通りにしか行動できない、カルマの操り人形であるという考え方である。
一般人にはにわかに信じがたいかもしれないが、修行者はこれを知っている。
なぜなら、瞑想によって、それを体験しているからだ。
意思決定も、思考も感情も、それが浮かび上がる前に、その元になるデータがやって来る。
そして、そのデータ通りの自分が形成されていく。
瞑想者は、別の場所からそれを見ているのだ。
そのデータがどこからやって来るかは分からない。
瞑想者が見ている場所がどこなのかも分からない。
理解しているのではなく、ただ知っているということなのだが、この知っているという事が無ければ、オウムの教義を理解することは出来ない。