これもついでに書いておこう。
修行の達成に必要なのは、自力なのか?他力なのか?
その答えは、両方である。
では、自力が何パーセントで、他力が何パーセントなのか?
この答えは阿左田哲也が上手いこと説明している。
阿左田哲也と言えば、麻雀放浪記である。
仕事帰りに立ち寄った本屋で、何気なく手にした本の書き出しがあまりにも見事だった。
ムツゴロウさんはこれを天才と絶賛している。
面白いものだから、20ページほど立ち読みしてからはっと気づいて、手に持った本をそのままレジに持っていって買って帰った。
家に帰ってからも読み続け、全部読み終えたころには夜が明けていた。(笑)
直木賞作家である色川武大が、もっぱら金を稼ぐために書いていたのが麻雀小説なのだが、その中に麻雀において実力は何パーセントなのかという問いが出てくる。
阿左田哲也は実力が100パーセントであると答えた。
そして、こう続けた。
運もまた100パーセントであると。
合計200パーセントの戦い。
運と実力、どちらが欠けても勝利することは出来ない。
修行においても同じ、自力と他力はどちらも100パーセント。
どちらもが全力でなければ目的を達成することは出来ない。
ここで難しいのは、おそらく100パーセントの他力という部分だと思う。
本当の意味での秘儀と呼べるのはこの部分だ。
行法のやり方が秘儀なのではない。
生起から究境への移行。
どうやってそれを達成するのか?
その部分が秘儀なのだ。