化学反応は、分子と分子が出会う、ぶつかる事によって起こる。
そのぶつかる可能性は、温度が高くなるほど、圧力が高くなるほど大きくなる。
ただ、圧力が関係してくるのは気体の場合であり、サリンの製造にはほとんど関係がないように思える。
オウムでは、オイルバスを使って温度管理を行っていたという事なので、それほどの高温ではなかったようだ。
オイルバスとは油のお風呂、要するに湯煎なのだが、油を使っている分水を使うよりも高温にすることが出来る。
まあ、フライヤーのようなものだと考えればいいだろう。
次に、化学反応はどのようにして起こるのか、である。
基本的には、エネルギーは高い方から低い方へしか流れない。
エネルギーの低い状態になればなるほど、放出するエネルギーが減って反応しにくくなる。
つまり、より安定した状態になろうとするということである。
大抵は、反応前の二つの物質から、反応後に二つの物質が出来る。
反応前の二つの物質のエネルギーの総和よりも、反応後の二つの物質のエネルギーの総和の方が少ない。
この時、この差分のエネルギーを放出する。
つまり、発熱するのだ。