ツマアカスズメバチの巣が十分に大きくなったところで、ハチクマたちは狩りを始める。
最初に1羽だけが、スズメバチの巣に体当たりをする。
怒り心頭に発したスズメバチたちは一斉に巣穴から飛び出し、ハチクマに攻撃を仕掛ける。
巣から離れて飛び去るハチクマ。
しばらくすると、スズメバチたちは巣に戻って来る。
と思う間もなく、ハチクマは今度は反対側から体当たりを食らわす。
巣が大きく揺れて、またしてもスズメバチが大挙して押し寄せる。
飛び去るハチクマ、そして、追いかけるスズメバチ。
同じことが何度か繰り返される。
ハチクマの行動は、一見無意味に見える。
しかし、実はそうではないことが、後になって分かる。
何度でも巣を襲うハチクマ。
今度は体から体当たりをするのではなく、足からぶつかっていく。
鋭い鉤爪が巣を破壊し、穴をあける。
ますます大量に飛び出してくるスズメバチ。
またしても飛び去るハチクマ。
同じような事が繰り返されているかのように見えながら、実は決着がつくまでにもうそんなにはかからない。