ツマアカスズメバチが木の上に巣を作り始めた頃、ハチクマが1羽だけ様子を見にやって来る。
面白い事に、巣に近づくことはない。
遠くから見ているだけである。
そして、それから1か月ほどの間は、何事も起こらない。
まるでハチクマは、ツマアカスズメバチに興味がないかのようにすら思える。
実はこの間、ハチクマは待っているのだ。
巣が大きくなり、自分たちの餌が肥え太るのを。
この地上のありとあらゆる生物が恐れるスズメバチでさえ、ハチクマにとってはただの餌に過ぎない。
巣が十分に大きくなった頃、1羽のハチクマが巣の近くにやって来る。
当然、スズメバチたちの猛攻撃を受けて、巣から離れていく。
逃げたのではない。
単に偵察に来て、まだ早いから仲間たちのところへ戻っただけだ。
スズメバチの巣を襲う段階になると、ハチクマは集団でやって来る。
ここで不思議なのは、1か月以上もの間ハチクマは餌をどうしているのだろうか?
ということである。
まあ、台湾の養蜂家たちが餌をくれてはいるのだが、理由はそれだけではないようである。
ハチクマは日本からインドネシアまで飛行する間、ほとんど食事をすることなく1か月以上もの間飛ぶことが出来る。
まあ、ここで、サットヴァレモンのオクタコサノールを思い出してしまうのだが。(笑)
彼らは恐ろしいほどに食いだめが利くのだ。