スズメバチ⑰ | 法友(とも)へ

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勢力図が塗り替えられるにつれて、何故だかアリが姿を見せなくなってきた。


「遊んでないでワークに戻れ!」


と、幹部から叱られたのだろうか?(笑)



アリがいなくなり、テントウムシの成虫がどこかに飛んで行って、残されたのはアブラムシとテントウムシの幼虫だけになった。


こうなってしまえばもはや幼虫の天下である。


アブラムシのバイキング状態で、どんどん大きくなり蛹から成虫へと育っていった。



そんなある日の事。


メロンの葉っぱの裏を見てみると、もうどこにもアブラムシの姿はなかった。


いつものことながら、上手く出来てるもんだよねえ。


と思っていたら、なんかひとつだけ動くものがあることに気が付いた。



一匹だけ出遅れてまだ大きくなれない幼虫が、ものすごい勢いで走り回っていた。


ただ動き回っているのではない。


普段の動きとはまるで違って、テントウムシの幼虫がこんなに早く動けるのかと思うほどのスピードだった。



餌を探しているのだろう。


蛹になるにはまだ後1回脱皮が必要に思える。


が、残念なことに、アブラムシはお前達に全部食い尽くされてしまったのだよ。(笑)


それでもその幼虫は、一瞬たりとも止まることなく、葉っぱから葉っぱへあちらこちうらへと動き回っていた。


よくもまあ、そんな体力があるもんだなあ、と感心してはみたもののこちらとしても打つ手が無い。



まあ、そのまま放置するしかなかったのだが、翌日メロンを見て驚いた。


葉っぱの裏側に小さな蛹がへばりついていたのである。


なんということでしょう!


小さいまま蛹になりやがった。(笑)



先に蛹になった幼虫たちは、この小さな蛹よりも一回り体が大きかった。


だからこいつは自分も大きくなろうとして、懸命に餌を探し回っていた。


しかし、餌が見つからなかったので、方針を転換したということなのか。



ふ、やるじゃないか。


テントウムシのくせに見事だ。


大きくなることにこだわり幼虫のまま死ぬことよりも、小さくても蛹になることを選んだ。


なんたって、ヴァジラヤーナは結果が全てだからな。



数日後。


蛹は抜け殻だけになっており、その側には今まで見たこともないような、小さなテントウムシがいた。