自転車に乗っているときに、前方からスズメバチが飛んで来たことがある。
僕の顔面目がけて真っ直ぐに突っ込んで来た。
ほぼ全速力という感じで遥か遠くから飛んで来たのだが、凄まじい羽音が先にやって来るのでそれと分かった。
さすがのスズメバチと言えども、音速を超える事は出来ない。(笑)
スズメバチの最高速度は秒速9メートルというからかなりのスピードだ。
これでは足場の悪い山の中で走って逃げようとしても、人間のスピードでは到底逃げ切れるものではない。
で、その秒速9メートルに自転車のスピードが加わり、相対速度は40キロを軽く超えていると思われるもの凄いスピードで、弾丸の様にスズメバチが迫ってくる。
そのまま真っ直ぐに進めば顔にぶつかる。
元R師、危うし!
これはよけなけりゃいかんなと思った次の瞬間。
スズメバチが先に動いた。
いかつい顔で、たしかにスズメバチが飛んでいる姿を前から見ると、ほとんど顔しか見えないのだが。(笑)
そのいかつい顔が一瞬右側へ40度ほど傾き、そしてすぐに元の垂直に戻った。
まるでオートバイが車体を傾けて進路を変更するかのように、かくんかくんと2回操作して最小限度の動きで、僕の左横数センチのところを全く減速せずに通り過ぎていった。
凄えなスズメバチ!
あの小さな身体で時速40キロって、人間の身体の大きさに換算するとマッハいくつになるんだ?
ここで驚くべきことは、前に目の前でスズメバチが止まったのとは違うということだ。
前回は止まったが、今回は止まらずによけている。
驚くべき動体視力と身体能力。
とっさに正確な判断を下し、実行に移せる。
たいしたもんだねえ。