右ストレート④ | 法友(とも)へ

法友(とも)へ

ブログの説明を入力します。

一瞬、視界が真っ暗になり、その中に白い火花が散る。


それが先だった。



次に、股間が爆発したような衝撃に続いて、雷に打たれたような電撃が全身を走る。


そして、内臓の奥にまで伝わる、鈍い痛み。


ここまで来てようやく、本体の痛みを感じることが出来た。



一体、何が起こったんだ?


それが何かは分からないが、痛い!


痛くて、動けない!(笑)



僕は、よれよれのお爺さんの様に腰をくの字に曲げ、あごを突き出していた。


両手は何かにすがりつくように、空中をさまよう。



まさか、アーチャリーは勢いよく走ってきて、そのまま顔面から僕の股間に突っ込んだのだろうか?


いや、違う。


あの時、アーチャリーは、右へよけたはず。



ということは、右ストレートか?


アーチャリーが視界から消える瞬間、すれ違いざまに右ストレートを叩き込まれたのか。


見えなかった。



油断した。


完全に力を抜いているところへ、手加減抜きの全力の拳を叩き込まれてしまった。


内臓の奥の痛みは、ズキンズキンどころか、ドカンドカンと激しさを増している。



危なかった。


もし、あと一センチ深ければ、死んでいた。(笑)


目を開けたまま暗闇の中に沈みながら、僕は固まったまま動けずにいた。