第二サティアンでアストラルテレポーターを使うようになってから始まったのが、音でも電流でもなく磁界を発生させるというやり方だった。
もっともこれは何かを修法するということではなく、その中にサマナを入れて一気にポアさせようとするものだった。
人間がすっぽり入る壷のような形にコイルを巻いて、その中に蓮華座を組んで座る。
そこへ電流を流すと強烈な磁界が発生し、恐ろしくエネルギーが強まる。
麻原はこのマシンを使って、出来の悪いサマナたちを成就させようとしたらしいのだが、見事に失敗した。
このマシンには皆さんご存知の有名な方も入っておいでになるのだが、要するにエネルギーが強くなるだけではダメだということなのだ。
成就のためには浄化のプロセスが必要になる。
極限修行においてこの浄化のプロセスに入ると、もう死んだ方がましなんじゃないかと思うほど精神的に追い詰められる。
そしてそれを乗り越える必要があるのだが、このマシンにはそれがない。
魔境は魔境のまま、穢れたエネルギーは強くなっても穢れたままなのだ。
というわけで、いつもの様に村井の企画は失敗に終わるかと思われたのだが、実はこのマシンには思わぬ使い道があったのである。
それが食品の修法である。
醤油や味噌などの修法に使えるのだ。
甘露水のように電流を流すやり方だと、電極が直接触れているために衛生上問題があり、ひたすら雑菌を修法して元気に大繁殖させてしまっている。
ところが磁界による修法なら、食品衛生上何も問題はない。
かくしてここに、愛の食品シリーズが誕生することとなるのである。
なんて素晴らしいんだ!