オウムが上九に進出するにつれて、アストラルテレポーターが1台では足りなくなってきた。
ある時サティアンで、後に次官となるHが、富樫が設計したという小型のアストラルテレポーターのハンダ付けをしていた。
初号機と比べて随分とコンパクトになり、片手でも持ち運べるみかん箱ぐらいの大きさになっていた。
スロットが8枚あり、その全てがプリント基盤。
ちょいとお高い銅入りハンダを使っていた。
かつては配線図を見ながら一本ずつハンダ付けをしていたし、電子機器用の普通のハンダを使っていた。
大きさだけでなくその他の条件についても、隔世の感があった。
まあ、ハンダ付けというやつは、ああ見えて結構電気抵抗が大きい。
ましてやハイレゾマシンの音質を劣化させないためには、それなりの材料を使う必要があったのだろう。
そしてこれが、どうやら3台目のアストラルテレポーターだったらしいのだが、最終的に何台作られたのかは残念ながら僕には分からない。