武術訓練場に麻原がやって来ることもあった。
2階の祭壇の向かって左側に、麻原の居住スペースとをつなぐ狭い階段があり、そこを通ってのそりと姿を現した。
その周りにはダーキニーたちとおぼしき若い女子が5人。
案内役の石井もアーチャリーも居ない、若い女子だけを連れていた。
「どうだ、やってるか?」
と麻原が声を掛けるので、皆驚きつつもとりあえず「はい!」と威勢よく返事をする。
と、ここで、麻原の熱血指導が始まった。
対象はもちろん、男子ではなく女子だけである。(笑)
訓練場のど真ん中にでーんと仰向けに大の字になり、「さあ、みんなで好きなように技を掛けろ。」と言った。
繰り返すが、「みんな」とはダーキニーたちのことである。
男の弟子たちは当然の事なのだが、「みんな」から仲間外れである。
最初は戸惑っていたダーキニーたちも、体育会系のシーハの愛人の攻撃を皮切りに、全員が攻めに転じる。
「わぁーーーー!」
「きゃあ~~~~~~!」
と、実に楽しそうである。
なんて素晴らしいんだ。
突如として目の前に繰り広げられる偉大なグルの痴態に、男の弟子たちは揃って沈黙の行!
これにはきっとグルの深いお考えが、などとは誰も思わない。
このブログに何度も書いていることなので、読者の皆さんはすでに見飽きていると思うが、麻原は目が見えない。
なので、技を掛けるには女子の身体をまさぐる必要がある。
麻原は、「これは足か?」
「ん?これはお尻か。」
などといいながら、一人ずつゆっくりと抱きしめ、じゃなくて技を掛けていく。
この時の、審判を努めるシーハの心境はいかがなものだったのだろうか?
自分の愛人が麻原に弄ばれ、じゃなくて熱血指導を受けるのを目の前で見せつけられているのだから。
もはや拷問に等しかったかもしれない。
一行が去った後、毒気に当てられて放心状態のようになったシーハの「今日はこれまで。」の一言で、その日の訓練はお開きとなった。
まあ、そんなこんなで楽しい毎日を過ごしていたのだが、ある日突然支部活動へ戻れという麻原からの指示があり、この生活にも別れを告げることとなった。