ロシアツアー43 | 法友(とも)へ

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治療を終えて2階に戻ってくると、すでに夜になりCBI他の部署のサマナたちがワークを終え、見学に来ていた。


中には腕に覚えのある者たちもいて、スパーリングに参加し始めた。



と、ここで高橋 克也登場。


高橋 克也とは、わりと親しいというわけではないが、信徒時代からの顔見知りではある。



高橋 克也はああ見えて、とは言ってもどう見えているのかは人それぞれだと思うが。


まあ、とにかく、柔道は二段である。


なんて素晴らしいんだ!



高橋 克也は他の連中と同じように、まだ新しい柔道着を着ていた。


しかし、その腰にはブラックベルトが光っている。


ベルトの端が擦り切れて白くなっている、年季の入った黒帯。



出家する時に、柔道着は捨てられても黒帯は捨てられなかったのだろう。


思い出が一杯詰まっているんだろうなあ。



で、その高橋 克也は、先ほど僕と対戦したサマナと相対することに。


「先生、そんなやつ懲らしめてやってくだせえ!」


と、心の中で思うのだが、口には出さない。(笑)



組み合ったまま、ふたりはあまり動かない。


別に愛を確かめ合っているわけではないが、投げ技だけでは決まらないために、その後のことを考えているのだろう。



と、ここで先生が動く。


サマナの体勢を崩して、そのまま腕ひしぎ逆十字の体勢へ持っていく。


そのまま、見事に一本が決まった。



やっぱ強えな黒帯。


と思うのだが、高橋 克也は相手の腕を傷つけるところまで技を極めていなかった。


優しいねえ。



ポーシャといいスマンガラといい、どうして君たちはそんなに優しいのだろう。


オウムで出世するために必要な条件は、基本的に性格が悪いということである。


幹部たちの大半は、「他の苦しみを自己の喜びとし、自己の苦しみを他の苦しみとする。」


そんな連中だ。


正直者がバカを見るのは世の常だが、それはオウムにおいても同じだと言える。