サマナとスパーリングをやる事になったのだが、相手は前から警備班で訓練をしている。
この時点ですでに、嫌ぁ~な予感がしている。(笑)
何でもそうだけど、格闘技は特に知っているかいないかが、結果に大きく影響する。
どうすれば人体を効率的に破壊出来るかなんて、一般人は知るはずも無い。
イスラム国じゃあるまいし、学校ではそんなことは教えてくれないのだから。
まあ、しかし、飛び込めと言われたら飛び込むのがヴァジラヤーナだ!
柔道なんて体育の授業でしかやったことはない。
背負い投げは相手の懐に飛び込んでしゃがむのがバランスを崩してしまいやすい。
大外刈りは返し技が怖い。
というわけで、体落としを仕掛ける。
体落としからの袈裟固めは何回も繰り返してきているので、素人が相手では防ぐことは出来ないだろう。
で、開始早々、あっさり倒して押さえ込んだまではよかったが、試合ではないので一本にはならない。
シーハが審判なので、わざわざ近寄ってきて一本にはならないと説明してくれたが、そんなことは言われんでも分かっとるわい!
ここからどうしたもんかいなあ?
押えている腕の関節を狙うか、足を使ったほうがいいのか、などとしばらく悩んでいるうちに、右腕を引き込まれた。
ここから先は漫画やアニメでたまに見かけるシーンが登場する。
「あれ?天井が見える。なんでだろう?」
と思った次の瞬間、右ひじに激痛が走った。
「イテテテテッ、」
と思わず叫んでしまった。
綺麗に腕ひしぎ逆十字が決まっていた。
まあ、なんといいますか、音で表すと「ミシッ」とか「メリッ」って感じですかね。
起き上がってはみたものの、痛くて右腕が動かせない。
人生初体験の腕ひしぎ逆十字!
まったくオウムっていうやつは、実に様々な経験をさせてくれるものだ。