警備班の拠点はビクトリー棟。
生卵とプロテイン饅頭が箱のまま置かれており、警備班のサマナは食べ放題だということだった。
この頃、お供物はだんだん量が少なくなってきていたので、豪勢なものだ。
そういえば、警備班のサマナ達は上半身は半袖のシャツ1枚という姿だったが、腕の筋肉がもりもりしていた。
しかし、春先とはいえ標高の高い場所にある上九だ、寒くないのだろうかとも思った。
さらに驚いたのは、ドアも窓も開けっぱなしだったことだ。
おいおい、大丈夫なのか?
毒ガス攻撃されているんじゃなかったのかよ、とは聞くまい。(笑)
警備班の責任者は新見だったのだが、普段は麻原と行動を共にすることが多いので、実質的なリーダーは岐部だった。
デザインの専門家が警備なんかやらされて、一体何をしでかしたんだよと思ったが、これも聞くまい。
岐部というのはかなりクセの強い男である。
村井のナチュラルな超人という感じと違って、一生懸命自分に鞭打って頑張っている感じが痛々しいと思うのは、僕だけだろうか?
まあ、本人は、頑張っている自分が好きなタイプなのかもしれないが。
とりあえず、全員で丸く輪になって準備運動。
その後、突きや蹴りの稽古。
ひとりずつ順番に10まで数え、それ以外は「セイ!」とか「セイヤ!」とか、まあ、割合自由に掛け声をかける。
それが終わったら、次は腕立てやスクワットなどの筋トレ。
そこから、富士山麓へのロードワークへと続く。