第六サティアンに到着。
とりあえずアンプルを遠藤と中川に渡す。
ふたりは無言で顔を見合わせていたが、当然それが何なのかは知っているのだろう。
まあ、隣は何をする人ぞ、だ。
続いて麻原に帰国の挨拶と報告に行く。
第六サティアンの出入り口は道路側には無い。
反対側の向かって右端にサマナ用の出入り口があるが、そこからは麻原の住まいには行けない構造になっている。
左側の端の麻原と家族用の出入り口から中へ入る。
1階が麻原と家族用のスペースだ。
麻原は無事に任務が終了したことにご機嫌だった。
そして、「これからはこういう事が必要になるんだよ。」と言っていた。
まったくいつもの事だけど、麻原の言うことには具体性がない。
「こういう事」とは、一体何のことなのやら。
何でも好きなもの食べていいってことじゃないよね。(笑)
問題はこの後。
オウムは今後ますますヴァジラヤーナの活動を推進していく事になるが、そのことに依存はないなという確認と、自分の意思でヴァジラヤーナの活動を行いますという宣誓をさせられた。
ということで、麻原がその次に言い出したのは、こんな事だった。
これからのヴァジラヤーナの活動に向けて、軍事訓練を参考にして警備のワークについて鍛えておけという話だった。
元の部署(僕の場合は支部活動なのだが)に戻りたい者は、一応希望を出すことは出来るが、戻れる保証ははないとのこと。
さあ、大変な事になってきたなあ、と思って憂鬱な気分になった。