ダンテスダイジ⑨ | 法友(とも)へ

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ダンテスダイジの周りには、いつも死と隣り合わせのような雰囲気が漂っている。


本人もそうなのだが、友人が自殺したり恋人が死んだりということがよく起こる。


その結果、ダンテスダイジは死ぬか解脱するか、どちらかしかないという精神状態に追い込まれていく。


そして座る、修行が終わるまで座る。



恋人が死んだ時、ふらふらと禅寺を訪ねるのだが、そこにいたのが虎山老子。


虎山の名前の由来は分からないが、もしかしたら「虎を抱いて山に帰る」から取ったのかも知れない。


だとすると不思議なことだ。


虎山老子は臨済禅だから、一体どこでタオとつながりがあったのだろうか?



虎山老子はダンテスダイジの姿を一目見るなり座らせてくれたという。


食事と用を足す以外はひたすら座り続けるダンテスダイジ。


何も言わずに食事の世話をする虎山老子。



数日経った頃、公案が与えられる。


かの有名な「隻手」である。


さらに座り続けるダンテスダイジ。


そして、入室参禅。



虎山老子が次々に繰り出す意地の悪い質問を、残らず切って捨てるダンテスダイジ。


爆発が起こり、全てが終わる。


一礼して去っていこうとするダンテスダイジの背中へ、虎山老子が声をかける。


「これでお前の屁理屈も終わったな。」




面白い。


この人たち、面白いなあ。