石井が言うには、麻原が最終解脱のために用いた修行法は、ビバリータカラニーバンダムドラーだったということだ。
普通のビバリータカラニーはくの字になっているが、これを垂直にする。
こうすることによってしっかりとしたジャーランダラバンダが出来るし、重力によって自然とムーラバンダが起こり、同じく重力によって内臓は下に落ちウッディーアナバンダが自然に起こる。
すなわち、このビバリータカラニーの体勢をとっている間はトライバンダはほどけないのだ。
次にこの体勢のまま蓮華座を組む。
その蓮華座を組んだ足を下に下ろし、内臓が下に降りてへこんだ腹部に押しあてる。
その足を両腕で外側から抱え込み、指先を組み合わせる。
この体勢のまま、極限までクンバカを行う。
麻原は一息ごとに失神し、痙攣していたそうだ。
石井は麻原が視力と引き換えに最終解脱に挑んだと言っていた。
たしかにそうだと思う。
麻原の視力障害は緑内障によるものである。
それなのにこんな眼圧を極端に高める修行法を行うことは、まさに自殺行為である。
石井は、麻原が視力と引き換えに最終解脱をされた、と言っていた。
で、この話を極限修行の時にして、「あなたたちはどうして限界までクンバカできないのですか。」
とか、言ってくるので、そんな事を言われてもなあという感じだった。
そういえば麻原も「死んでもいいから呼吸を止めろ!」
と言っていたなあ。
鬼の形相でそう言ってから、次にニコっと笑って「大丈夫だ。死なないから。」
まあ、体験者は語るってことですかねえ。