空手バカ一代 | 法友(とも)へ

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あ~、実に懐かしい。


もう40年ぐらい前になるんでしょうかねえ。



梶原劇画と言えば、個人的にはあしたのジョーでもなく、巨人の星でもなく、空手バカ一代ですよ。


敵キャラが魅力的過ぎるのだが、中でも圧倒的な存在感でもの凄いインパクトを感じたのが、人間凶器 由利辰郎。



人間凶器だよ!


人間が凶器を持っているんじゃなくて、人間が凶器なんだよ。


これは正しい日本語であるのかどうかすら危ういでしょ。


もう、人間凶器、人間凶器、人間凶器って、マントラの様に唱えてしまったよ。



左手に持った湯飲みを、右手の人差し指一本だけで穴を開けてしまうのを見たときは、スゲぇ~と思ったもんね。


主人公が大山倍達であることを忘れてしまった。


まあ、フィクションなんだけど、ぐいぐい引き込まれる面白さがあったんだよなあ。




そう言えば、弟子の話も面白かった。


芦原がヤクザと喧嘩して破門になった後の復帰条件として、単身四国に乗り込んで道場を作るというのがあった。


それで道場破りをやったりしているうちに、何十人もの四国の空手家達に追い回される羽目になる。


山に逃げ込んで大きな木の上に隠れているところを見つかり、逃げることも出来なくなったうえに根元に枯れ木を集めて火をつけられてしまう。



熱風が吹き上がり髪がちりちりと焦げ始めたが、今更下に降りたところで火傷をおったうえによってたかって半殺しにされるだけという状況になってしまった。


そこへ木の下から空手家達が声をかける。


「東京へ電話をして大山に確認を取った。」


「お前のことは弟子でもなんでもない。」


「こちらとは何の関係もないので、そちらの好きにしていただいてもらって結構と言っていたぞ。」



これを聞いた芦原は、目に涙を浮かべて泣き始める。


そして、こう言うのだ。


「ああ、俺はこんなにも、」


「こんなにもグルに信頼されている。」



あ、いや、グルじゃなくて館長ね、館長。


いや~、しかし、すっごいセリフだよねえ。


ヴァジラヤーナなんだよなあ。



まあ、僕はこの頃からすでに下地が出来ていたのかもしれない。(笑)