この巨大な培養タンクには、その巨大さと釣り合いをとるようにこれまた巨大なフィルターが取り付けられていた。
構造自体は家庭用の浄水器と何も変わらないのだが、それよりもはるかに大きい。
直径は10センチ以上で、長さは1メートル以上ある。
その中を浄水器よりもはるかに太いチューブが通っていた。
これが全部で10個ぐらいあったと思う。
20年以上も前のことだからまだ細菌をろ過できるフィルターは値段も高く、ひとつ24万円と言っていたように思う。
これに圧力をかけて水を外に排出し、培養液を濃縮する。
いわゆる逆浸透である。
ただし、この場合は浄水器とは水の流れが逆方向になる。
フィルターの中に細菌を溜め込むのではなく、フイルターの外側で細菌を濃縮し、必要のない水を排出するのである。
プラントの大まかな部分はCBIが担当し、こういった細かい部分はCSIが担当しており、広瀬は寸法どおりに上手くいったといって悦にいっていた。