酸いも甘いも
「で、最近どおよ?」
「悪くない、かなぁ。」
彼はね、とてもいいひと。
いつも手をつないで歩いてくれるひと。
映画を観ると、私よりも泣いてたりする。
大きな音で鼻をかんだりする。
よく、彼女の横でブランドもののバッグを持って歩ってる男子がいるよね。
そういうの、私はあまり好きじゃないんだけど
でも本当に重いとか、必要なときだけは
黙って私の鞄を持ってくれるような感じ。
目が合うとつい口元が緩んで、真顔になれない。
そろそろ、小じわが気になるお年頃なのにねぇ。
かなりあちこち、歩きまわってるよ。
いい大人が、突然スキップしたくなったりしてね。
ばかみたいと呆れるでしょうけど
こういう気持ちって、幾つになっても変わらないらしい。
「なぁに、あんたしあわせそうねぇ。」
「そんなこと・・・ある。」
「ばっかじゃないのぉ~!?」
「ほらね、そう言われると思った!」
だけど、そっちも幸せそうに見えるって。
良い意味で、すっかり落ち着いたヤングミセスって感じよ。
服もメイクも完璧だもん。
お茶しても、ちゃんとお化粧直すし
そもそも、ちゃんとヒールを履いてるってとこがすごい。
とにかく、女を捨ててない気合っていうかが、格好いいよ、とても。
「どーなんだか。」
「そう?」
昔、こんなこと言ってたよね。
若いころの恋は、摘みたてのイチゴ。
甘酸っぱくてみずみずしくて、鮮度が命。
それなら今のあなたは、
ケーキに乗ってるゴージャスなイチゴかも。
「アタシはしあわせ、なのかしら?」
「・・・でもそう見える。違うの?」
「まあね。たぶん、しあわせよ。」
仲良しなのに、全然似てない私たちは
幸せの種類や基準も、どこかしら違うんだろう。
けれども、あなたも私も十分すぎるほど
酸いも甘いも、分かっている。
熟女って何かね
電車通勤を始めた、と書きましたが
働いている人たちは20代がメインとあってお若いです。
とはいえ部屋全体の平均年齢はもう少し高いので
思うに、中間の層(35~45歳ぐらい)が抜けているようです。
「幾つですか?」と訊いてきた先輩は、35歳。
「33です」と答えると「熟女が増えた☆」とニコリ。
じゅ、熟女?
おもしろいなぁ。
これまでの仕事においては若輩者だった私が、
ここでは熟女なのであります(笑)
随想 100723
私からあなたへ
この歌をとどけよう
広い世界にたった一人の
わたしの好きなあなたへ
昔教育テレビで流れていた
「切手のないおくりもの」という曲を口ずさみます。
AメロBメロなどなく、たった10小節ほどで1番が完結。
同じフレーズを繰り返すから、すぐに覚えてしまいました。
財津和夫さんもセルフカバーで歌っているようです。
電車通勤を始めました。
行き先の駅には長い長い木製のベンチがあり
それは見るからに古そうなのですが、とても魅力的で気になっています。
これまで数え切れないほどの人々が腰掛けてきたのでしょう。
ほのかに艶がある、こげ茶色のベンチ。
夕方、帰路に着くときに決まった場所でパンの焼ける匂いがします。
でもパン屋さんは見当たらないし、謎は深まるばかり。
商店街は入り組んでいるようですし、いつか探検するんだ!と思います。
昨夜、スコールのように雨が降り
乾いた土を湿らせてくれました。
枯れかけていた植物にとって、恵みの雨です。
7月に入ってからはあっという間でした、今日は23日。
忙しいだの疲れただのこぼすのは好きではありませんが
正直言って、ちょっと忙しいかもしれません。
落ち着かないことが山積みです。
不義理をしている皆さん、もう少しご容赦ください。
うずき
「人の魂には重さがあって、
死んだときに何グラムか体重が減るそうだよ」
と君が云う話は本当だろうか
だとしたら私の時には量らないでほしい
愛情深さが計り知れないように
引き合う魂も数字になりそうもない
その笑顔を思い出すだけで
身体の中にぽうっと火が灯る
いとしいのは何も笑顔だけじゃなく
どんな表情も堪らなく好きだと思う
視線がぼんやり空(くう)に漂っているときも
いい顔をする人なんだ
結わいた髪の先から爪先から
滞っていたものが巡りだして
疼きだすこころに涙ぽろぽろ
「居ても立ってもいられません」と
名を呼んでみる
灼熱の日差しが肌を焼くのに
急に背中をお化けに撫ぜられたように
ぶるっと震え両腕を抱いた
随想 100719
勝手に梅雨明け宣言した半日後に、オフィシャルな梅雨明け宣言。
連日の猛暑ぶりにへとへとなのですが
冷房を求めて?デパート前には駐車場待ちの行列。
そんな、地球に優しくない光景に加わってしまう私。
「ベスト・キッド(原題「カラテ・キッド」)」のリメイク試写会で
さすがに歳を感じたジャッキー・チェンは
ちょっと影のある寡黙な師匠役。
映画には突っ込みどころ満載なのですが、
ワイヤーアクションなしでもすてきなジャッキーおじさん。
くだらないジョークとベタな笑いに
素直に反応する周囲の子どもたち。
沈黙した映画館で笑いをこらえる大人たちよりも
そうだね、面白いときは声をあげて笑えるほうがいい。
ゆらゆら逃げ水と、
魚眼レンズ越しみたいに歪んだ夏の地平線。
スプリンクラーで虹が出て、湯気が立ち上るアスファルト。
一年前は何をしていたかな?そんなことを思いながら
蜃気楼が見えた気がした、今日は貴重な月曜休み。




