病院から帰宅したのは
21時頃でした。
この時は、
ルルはもう長生きは出来ない。
綱渡りのような毎日になるだろうな…
専門の病院へ行って
心身の負担をかけて
あれこれ検査や手術を考えるより
薬で心臓への負担を減らして
毎日をなるべく穏やかに過ごせるような
方向で考えよう…
トリミングも、サロンへ行くのはやめて
家で自分でカットしよう…
そう思っていました。
22時頃、パパが帰宅。
しんどそうに横たわっていたルルが
パッと立ち上がって
嬉しそうに尻尾を振って喜びました。
パパはそっと抱き上げて
「遅くなってごめんなぁ。かわいそうに…」
と言ってルルの体をずっと撫でながら
病院でのこと、
今後どうしようと思っているか
私が話をしていることに耳を傾けていました。
23時前くらいに2階の寝室へ行きました。
ルルはパパに身を預けるように横たわって
うとうとしていました。
腕枕をするような感じで
パパの腕に頭を乗せて寝ていましたが
「寝返りできなくてしんどいかな…」
と言って、パパは自分の体から
少し離れたところへルルを横たわらせて
真ん中にルル、
両サイドに私とパパが横になって
様子を見守っていました。
夕方に震えるような呼吸の仕方をしていたけど
その時は落ち着いた呼吸になっていたように
少し感じました。
前の日は、咳が頻繁に出て
ほとんど寝れていなかったし
今晩はゆっくり寝て
明日少しでも元気になってくれたら…
そう思いながら、
撫でると起こしてしまうので
寝顔を除き込んだり
お腹がアップダウンしているのを見て
息をちゃんとしているな と確認したりして
寝れていなかった私も
一瞬寝てしまっていたんだと思います。
6月21日 1時半頃
キャイーーン!!
という声に私とパパ飛び起きました。
病院で聞いた声と同じです。
ルルを見ると
目を見開き、口をパクパク開けて
手足を突っ張らせたりしていました。
パパは
「子供ら起こしてくる!!」
と言って、子供部屋に行って
長男と次男は慌てて寝室へ来ました。
病院で発作のようなことが起きた時
しばらくしたら意識は戻りましたが
この時は、病院の時とは全然様子が違い
こちらの呼びかけに反応する、
反応ができる状態ではありませんでした。
みんなが泣きながら
ルルの体をさすっていました。
私はもう…
頑張って なんて言うことは出来なくて
「これ以上苦しめないで…」
「苦しまないで…」
「ごめんね…ごめんね…」
としか言えませんでした。
1時50分
完全に動かなくなってしまい
ルルは亡くなりました。
声を上げて泣くなんて
何十年ぶりだったでしょう…
こんな身を裂かれるような
辛さ、苦しみ、悲しみ…虚しさ…
犬は世間的にはペットです。
でも私達、他に動物を飼っていらっしゃる
方々にとってもそうだと思いますが
大事な家族なんです。
私とパパにとっては娘でした。
自分達の子供でした。
私は21歳の時に、
父親を突然の交通事故で亡くしていますが、
犬であろうと、人間の家族であろうと
心に負う傷の深さや辛さ、悲しみに
全く違いがないことがわかりました。
もちろん人によって、
違いはあるとは思います。
でも私は大差を感じませんでした。
自分の要求を通す為に
鳴くようなことは一切なく
空気を読むような賢い子でした。
甘えたさんだけど
誰かの邪魔をすることはなく
ある時は、勉強をしている長男のそばに
ある時は、ゲームをしている次男のそばに
ある時は、テレビを見ているパパの膝の上に
そして、用事が終わって
ようやく腰をおろした私のそばに
いつもそっと寄り添ってくる子でした。
人が大好きで、
お友達のワンコのことも大好きで
近所の方々にも可愛がって頂きました。
「犬は苦手なんやけど、ルルちゃんは大丈夫〜」
と言って、可愛がってくれる方もいました。
たった2年5ヶ月しか生きられませんでした。
一緒に過ごせたのは約、2年3ヶ月。
でも私達は
何度も家族で話し合って
犬を飼う覚悟を決めてお迎えをして
毎日、惜しみない愛情を注いでいました。
誰かは興味がない、世話をしない
ということもなく
みんなが同じレベルでお世話をし、
10数年しか生きられないことを考えると
毎日が貴重なんだと思って、
ルルが座っていても、歩いていても
ごはんを食べていても、寝ていても
うんちをしても、おしっこをしても
どんな瞬間も愛おしくて仕方のない日々を
家族みんなで重ねてきました。
ルルがすでにシニア期に入っていたら
色々と覚悟は出来ていたり
納得できる部分もあったかもしれない…
飼う時にいつかお別れがくることも
もちろん承知の上でした。
私は父の件があってから
衝撃、ショックをなるべく避けたいが為に
いつもありとあらゆることを想定して
生活をしているところがあります。
やっぱりね… わかってたよ。
と、言ってやり過ごせるように
心に予防線を張るクセがあります。
だけど、今回のことは想定外過ぎました。
そしてあまりにも展開が急過ぎました…。
つづく…。