白雪姫とピースの出産が終わり、雨と言うこともあり久々ブログを書いてます
ピースは最後の出産かな??
白雪姫はお見事ホワイトの3姉妹の出産
残留かな??
今日は前回ブログからの繋がりでペットオークションについて書こうかな…と思います
いつかオークションについて詳しく書こうかなと思っていたんで今日は気合いを入れて皆さんにオークションの現状を知って頂こうと思っております
わたしがこの業界に入って来たときにはまだペットオークションそのものが存在していませんでした
入社時の面接で、ペットフードは昔はお米屋さんで売っていたんだよ?と面接してくださった人が言っていたのを覚えています
しかし今日このブログを書くに当たってペットショップの歴史を調べてみたら意外なことに明治時代からペットショップは存在しており、時代と共に変化をし続け今に至ることを知りました
明治後半、鉄道の普及によりペットショップは全国に広がって行ったそうです
昭和10年頃のペットショップです
日本初のトリミングサロン昭和9年…
こういったレトロな写真大好きです
ペットショップの歴史もまた面白い題材ですね~
鉄道がペットショップを全国に拡散させたようにペットオークションもまたペット業界に与えた影響は計りしれません
では、ペットオークションの出現によりペット業界はどう変化していったのでしょうか⁉️
わたしが入社した当初、ペットショップでの生体販売は非常に困難だったと思います
なんせ、今のように子犬子猫の生体の入手が思うようにいかないから販売以前に仕入れが出来ない…という状況でした
生体専門のバイヤーがブリーダーにお願いして生体を譲って頂くしか仕入れルートがありませんでした
その頃のオーソドックスなショップはブリーダー兼ショップみたいな小規模なお店がほとんどで今よくあるチェーン店はまだこの世に出たばかり…といった状況でした
その頃のブリーダーとは言うと一言で言えば、恐い人達でした
入社当初の若造だったからかもしれませんが、とにかく見た目が恐くて高圧的だった印象が今も記憶にあります
特にチェーン店は嫌われる対象で犬猫の知識がないのに販売してる連中という位置付けです
彼ら、ブリーダー兼小規模ショップの利権を脅かす存在だったんですね?
なので上手く関係が築けません…そんな人達に子犬子猫を卸して欲しいと懇談しても、当然話はまとまらず誰の紹介や!と言われたもんです
不思議な話ですが、売るブリーダーより買うショップが立場が下なんですね?
ブリーダーは売ってあげてもいい…一方ショップ側も卸して貰ってる…という構図です
実はこの名残りは今でも少なからずあります…
ブリーダーが大手ペットショップチェーンを得意先、お客さんと言う意識が出始めたのはごくごく最近の出来事です
ペットオークションとはこの一癖も二癖もあるブリーダーを表舞台に引き出し健全な取引としてショップとの仲介をする目的を持って運営されてますから開設当初は本当に大変だったと思います
主に揉め事を起こすのはもっぱらブリーダー側で、自分の繁殖した生体を出荷した際、どこも買うショップが居ないと値段は下がっていくのですがその下がって行くなかで発狂するんです 笑
自分としてはこの値段はあるだろうと思って持って来てるのに意に反して下がるときは気分が良くないものです
おまけに会場全体がその生体そのブリーダーに目が向いてますから恥ずかしいやら腹立つやら、ブリーダーの気持ちもわからないでもありません
それを中断さして、もう持って帰る!返してくれっ!ってなるわけです
どこのペットオークションでもこの様なことはよくあります
もちろん、ブリーダーはあらかじめこの価格以下では売らない…と指値をすることも可能です
わたくしも前回ブログで書きましたが直近の緊急事態宣言の時に大いに被弾しました 笑
いい時もあれば悪いときもある…ということですし、ブリーダーは常に向上心を持っていい生体を作る努力をしないといけません
ペットオークションの歴史は今から25年前ぐらいからでしょうか?
開設当初は今の電子オークションではなく、お店の名前が書かれた札をあげていました
例えば、チワワが5万円からスタートしたとします
チワワ5万円っ!と共に欲しいショップが札をあげるんです
なのでどの店が手を上げてるか?みんなにわかってしまうんですね…
そうすると、意地の見せあいが始まる訳です…
あそこの店には負けない…とかです 笑
手を上げてると熱い視線を感じそちらを見てみると、別のショップの強面の社長が札を上げながらこちらを睨めつけてる…というのもありました 笑
とにかく揉め事を仲介するのもオークションの役割です
そうしたオークションがこの業界に与えたは影響は革命的でした
オークションが開設当初はブリーダーはオークションには否定的で、あんなとこに自分の犬は連れていかない!と言う意見が大勢でした
病気を貰うとか、いい犬を誰ともわからん店に売りたくないとか、まあさまざまな意見で敬遠されてました
酷い言い方ですが、ブリーダーはオークションは犬を捨てにいくところ…いい犬なんて絶対居ない…自分が出すのも置いときたくない犬だけ…と言った有り様でした
これもやはりブリーダーの利権絡みでしょうか?いい犬は身内で回し合うと言った感じでした
そうしたブリーダーの意識の産物でしょうか?今や大人気のミックス犬のお話…
この時ばかりはブリーダーが腰を低くして出荷していました
と言うのも、ミックス犬が出来ると言うことはブリーダーが自分の所有してる生体を管理出来ていない証拠…とされていたんです
発情してるメス犬を放置して別のオス犬が間違って掛かってしまった…ブリーダーとしては恥ずべき対象だったんですね?
ショップ側もそうしたブリーダーを白い目で見たもんです
当然、どのお店もミックス犬には見向きもせず毎回、ミックスだけ一万円からスタートでした
それでも誰も買わない、ミックス犬が認知されてなかった時代でした
それをこぞって買い漁るショップがやがて出てきます
ミックスはそのショップしか買わないからどのミックス犬も一律一万円で落札されてました
不思議なことにそんな時代が一年以上続いたんです
今の非常識、未来の常識だったんですね?やがてミックス犬に人気に火がつきブリーダーはこぞってミックス犬を作っていきました
でもミックス犬のオークションの競りの価格が一万円からというのは実はつい最近まで続いていました
これには少し訳があってこの世にミックス犬が流行することにいい顔をしない力のある団体がいました
ジャパンケネルクラブです
日本の犬の血統書をほぼ全て管轄発行している蓄犬団体です
それもそのはず、ミックス犬には血統書がありません
ミックス犬が増えることはジャパンケネルクラブで本来作るはずだった純血種の血統書の作成手数料の機会損失に繋がります
こうした蓄犬団体とオークションサイドは密に繋がりがありますからオークションとしてもミックス犬の出荷は当初は良しとしていない風潮でした
出来るだけミックスをオークションから減らそうとしていました
ミックス犬はミックス犬の手数料1頭3千円取ります…となったんです
でも、世の中はミックス犬人気に火がついてもはや後戻り出来ませんでした
そして今ミックス犬、今はかわいい子なら落札価格30万オーバーも普通にいます
こうして誕生したペットオークションがもたらしたものとは⁉️
生体の仕入れが安定したことにより全国で生体を販売出来るペットショップが爆発的に増えたということに尽きると思います
例えば皆さんの街にあるホームセンター、20年程前はペットを販売していなかったと思います
全国にあるホームセンターで販売しているペットもまたオークションが生まれてなければそもそも存在していたのかわかりませんね?
ここで少し話をずらしてホームセンターのペットコーナーのお話を少し…
ホームセンターにあるペットコーナーの犬猫達を販売をしているのはそのホームセンターではありません
そのホームセンターと契約しているペットショップが販売を請け負っています
どういうからくりだと思いますか⁉️
まずはホームセンター側はペットショップ側に売り場を提供いたします
内装工事費や設備、水光熱費は全てホームセンター側が負担をします
要するにペットショップ側に売り場を作ってあげるんですね
ペットショップ側はホームセンター側に決まった家賃は払いません
家賃に代わるロイヤリティーは犬猫生体の売り上げで連動していきます
だいたい売り上げに対して15%から20%が一般的です
皆さんが行かれる大きいホームセンターレベルならよく売るショップで1000万円ぐらい生体を販売します
平均単価25万円なら月に40頭計算ですね?
この1000万円のうち解りやすく仕入れを半分の500万円とします
ショップは月に1000万円売り上げをあげて粗利が500万円です
ロイヤリティーも解りやすく20%にします
ホームセンターには売り上げの20%の200万円がロイヤリティーとしてショップ側が払います
ショップは1000万円売り上げて仕入れ代金500万円ですから販売利益は500万円
そこからロイヤリティー200万円をホームセンター側に支払います
残りは300万円ですが、まずは人件費がここから支払います
1000万円クラスのショップの人件費は120万円から150万円ぐらいでしょうか?
解りやすく150万円にすると人件費を引くと150万円が残ります
そこから経費が引かれます
獣医代金や郵便代や交通費など、約50万円ぐらいでしょうか?
残りが100万円、これが最後の利益に相当します
これは1000万円という高いハードルで達成した場合の利益ですから、売り上げが半分の500万円なら利益も半減します
そう考えるとホームセンターでのショップ経営はなかなか難しいと思います
しかし、初期投資が全く不要なので入りたいペットショップは結構沢山いたりもしますから全国のホームセンターでのペットコーナーが常態化いたしました
売るべき生体が安定的に入手が可能、初期投資が要らない…との理由から増えた格好です
ホームセンター側は水光熱費は掛かりますがリスクなしに毎月寝ていてもロイヤリティーが入るので是が非でもペットコーナーは作りたいコーナーになります
なのでペットコーナーはホームセンター内の一番目立つ場所に作られることが多いです
ブリーダーの話に戻ります
皆さんこんなCM覚えていますか?
トップブリーダー推奨ペディグリーチャム
昔、子供のころよく見ていてトップブリーダーに憧れたものです 笑
恐ろしくマイナーな犬種ばかり…時代を感じます
トップブリーダーって、すごいなあ~と思って入って来て強面のブリーダーにたくさん会い、皆さんと接してるうちになんだ、普通の人達なんだなぁ~と意識が変わっていきました
ブリーダーは最初オークションには否定的でしたが、時流に順応をし、ペットショップに売ってあげてるから買ってもらってる…にこの20年で変わっていきました
オークションには出来の悪い子犬を持っていくんじゃなく、一番出来のいい子犬を持ってくる場所に変わりました
主催者もブリーダーの意識向上に常々取り組み、勉強会を始め特に狂犬病などのワクチン接種のあっせん、遺伝子検査の必要性…さまざまなことで業界として恥じない取り組みを率先して行ってきました
立ち上げから25年を経て、認知され始め社会的役割を担う組織になりました
オークションがあることによりブリーダーは孤立することなく情報を共有化出来ます
もちろん、健全でない形のブリーディングは白い目で見られますからみんなが一緒に少しずつ向上してきた25年じゃなかったのかな?と思います
ペットオークションは日本独自のシステムであり文化でもあります
ペットは人間に取って常に弱者でありある意味人間の意識次第で幸せにも不幸せにもなります
今回、ペットショップの歴史を調べる過程で、戦争中のペットの悲惨な過去を知りました
改めて戦争の残忍さを痛感いたしました
人間とは身勝手な生き物です
ペットと人間が共に生活出来るのは、人間の日常的な生活が担保されて始めて共存しているのです
人間はひとたび自身の生活が脅かされると意図も簡単にペットを手放します
もちろん全ての人達がそうではないでしょうが、ペットは常に弱者であります
何も悪くないのに人間の意思により殺されたりもします
日本は動物愛護に於いてよく後進国と言われますが、人間の身勝手さは万国共通です
どこの国においてもペットは常に弱者の立場であります
我々、業界の従事者が率先して弱者のペットを守ってあげなければいけません
あの国はどうこう言うよりはまずはみんながまず目の前のペットとより深い絆を作っていけたら不幸なペットはもっと減るんじゃないかな?と思います
ペットオークションに於いてもその社会的役割が求められています