今日は長文になりますよ
時間が空いてる時に是非ともお読み頂き、今、この瞬間に起きている我々ペット業界のこと、日本と言う国のペットと人間のあり方を少し考えてください
来年6月施行の動物愛護法が間もなく決着をいたします
トイプードル 120万円
チワワ 100万円
ミニチュアダックスフンド 90万円
ポメラニアン 100万円
豆柴 150万円
シーズー 80万円 …………
ビックリするような価格ですが来年6月には子犬価格がこんなに高騰するんじゃないか?……と、言われています
コロナ禍でただでさえ高騰しているのに何故また、こんなことになるんでしょう??
今、我々ペット業界は大混乱です
特にブリーダーは毎日寝れない日々が続いています…
原因は動物愛護法の改正での数値制限です
朝日新聞デジタルより……
環境省は10日、犬猫の繁殖業者やペットショップに対して、従業員1人あたりの飼育数の上限を、繁殖用の犬は15匹まで、猫は25匹までなどとする数値規制を導入する方針を示した。昨年成立した改正動物愛護法で、省令で規制を設けると定めていた。一部の業者が劣悪な環境で飼育する問題を改善するためで、違反を繰り返す業者は自治体が登録を取り消す。来年6月の省令施行を目指している。
規制案は、10日午前に開かれた「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」で示された。ペットショップなどで販売する犬については従業員1人あたり20匹、猫は同30匹を上限とした。これまで明確な基準がなかったため、従業員1人で多数の犬猫を狭いスペースに入れっぱなしで飼う業者が野放し状態になっていて、「悪質業者に自治体がレッドカードを出しやすい明確な基準とする」ことを目指したという。
飼育施設の大きさや構造も規制する。例えば犬を2匹入れる場合の平飼い用ケージの広さは、体長30センチの小型犬では1.62平方メートル以上。寝床に入れっぱなしで飼育する場合は床面積を体長の2倍×1.5倍以上、高さは体高の2倍以上とし、運動スペースに1日3時間以上出すことを義務化する。上下運動を好む猫では、平飼い用のケージの中に、猫が乗れる棚を2段以上設置した構造にする。
また、母犬、母猫にとって負担となる繁殖については、犬猫ともに交配できるのは「6歳まで」とした。
来年6月に施行される動物愛護法では、主に……
①動物を入れるケージの大きさや運動時間
②一人が繁殖出来る頭数
③繁殖出来る年齢制限や回数など
ここで大きく問題になっているのが一人15頭と言う頭数制限です
皆さんはご存知かどうかはわかりませんが、動物愛護団体と、ペット業界は昔からずっ~と、犬猿の仲です
私はペット業界の人間です
動物愛護団体からは敵視されている中心に身を置いています
でも、私は愛護の人達と本当に仲良くさせて頂き、日々お付き合いしています
愛護関係の方に配達もよく行きますし、人が人を呼び今では複数の愛護のお客さんに1月で50万円ぐらいエサを配達したりいたします
よく、お話もしますし、同意できることも沢山あります
愛護の方々は、それこそ一円でも安くエサの調達が重要ですから、我々のお店は協力出来るように最大限安く、時には赤字で商品を持っていったりします
彼女達が日々どれだけ努力して活動しているか?それは近くで見ていて痛いほどわかるので利益なしでも協力いたします
現場レベルではこういう交流もありますが、業界同士はもう、救いようのないレベルで対立しています
同じように動物に対して愛護精神を持つもの同士ですが、決して交わらない交わることがない業界同士です
悲しいなぁ~もっとお互い和解してペット達の為に協力し合える仲になれたらいいのになぁ~と、ずっと思っています
何故、愛護の方々は我々のペット業界を敵視するのでしょう?
端的に言うと殺処分される原因は我々業界にあり、繁殖するから、ショップで売るから飼育放棄が起こる…と言う理論です
ペットショップは悪、ブリーダーは悪…となるわけです
愛護団体とペット業界の確執のお話は今このブログでは割愛させていただきますが、今回の数値制限は愛護団体の正に求めていた通りの内容になります
数値を盛り込むと言うことは実は前から決まっていたんですが、これ程厳しい数値制限が掛かるとはペット業界は全く予想すらしていなくて、突然湧いてきたこの数値にペット業界は大混乱、ブリーダーは悲鳴と言うのが今日現在のところです
ペット産業は今や1兆5千億の市場まで成長いたしました
これには前回のブログで書きましたペットオークションが大きく影響を及ぼしています
オークションが確立をし、安心してペットショップは生体を仕入れることが出来るようになり、ペットショップが増えて、それをサポートするかのように動物病院も飛躍的に増えてきました
ペット保険や遺伝子検査の市場もそうです
さまざまな関連するドッグカフェやドッグラン、キャットカフェ、そして動物関連の専門学校などキリがないぐらい業界は時流に合わせ成長してきました
全ては愛犬家や愛猫家の需要に沿うかたちでビジネスが細分化され今に至ります
1兆5千億…ものすごい市場規模だと思います
その根底とも源流とも言えるのが、主役のペット達です
まさしくペットが居なければ、市場はありませんし、付随する全ての業種がありません
ペットフードメーカー、ペットショップ、美容室、全てがペットが居てる前提で成り立っています
子犬、子猫は突然ぽっと湧いてきたりはいたしません
皆さんが飼っているチワワやプードル、ポメラニアンやスコティッシュ、アメショー…これは誰かがどこかで産ませているからそこに存在いたします
日本はペットは輸入には検疫など高い高いハードルがあり海外から国内のペットを調達することはコストや時間、全てに置いて合理性に欠けます
そう、我々のペットは国内で誰かが生産をしないと国内から犬や猫達が居なくなります
しかも、継続的に生産をし続けないとペット関連の全ての業種が縮小していきます
その生産を担っているのがブリーダーです
そのブリーダーに壊滅的打撃を与えるのが今回の動物愛護改正法です
今回、この数値制限が出てきて全国のペットパークでブリーダーに対してアンケートを行いました
もちろん、我々もアンケートに答えました
その結果、今回の改正案の数値制限が施行された場合、7割のブリーダーが廃業、もしくは廃業を考えている…と答えました
もし、このアンケート通り、全国の7割のブリーダーが廃業してしまうとどうなるでしょう
たちまちペットの価格は暴騰をし、あちこちでペットショップがバタバタ潰れていきます
冒頭のペット100万円時代の根拠になることが現実的になるということです
今まさに業界全体がこの恐ろしいシナリオに混乱をしています
何故、ブリーダーにこれ程壊滅的打撃を与えるのでしょうか?
それは、数値制限の一人が繁殖で使用できる頭数が15頭…と言うところです
これはアンケート後にわかったことなんですがブリーダーの多くは繁殖のラインから外したペット達を自分で飼育している方が多いと言うことでした
例えば15頭犬が居たとします…
内訳がオス2頭、繁殖で使用できる年齢のメス8頭、引退犬5頭…といった割合です
30頭なら倍です
数値制限を掛けられると数値オーバーの犬をどうするのか?
と、言う問題が発生します
そこで、ブリーダーは今飼っている犬を手放したくない為に廃業を考えている…となる訳です
数値制限オーバーになる犬は全国レベルでは10万頭を越えるレベルになると言われています
まず、ブリーダーを続いていくならこの犬達の行き場がない…と言う問題も発生します
問題解決策として、人を雇用して頭数をあげるという方法があります
一人15頭なら二人なら30頭です
但し、雇用条件として1日8時間の正規の従業員として働く…との条件付きで確かめる為に納税証明がいるとのこと
ブリーダーと言う職種の決定的な欠点として、人にあまり見せたくない…と言うのがあります
これも驚いたのですが、親しくしているショップ兼ブリーダーの友人が居まして、彼に聞いたところ繁殖している現場を人に見せたくない…と言うのです
うちのお店ではフルオープンですがきっと多くのブリーダーがやはり見せたくない…と答えると思います
ここに、ブリーダーの後ろめたさが見え隠れしています
見せたくない、見せれない…ブリーダーの陰の部分で愛護団体が最も突いてくる部分です
見せたくない現場に積極的に雇用も出来る訳がなく法に乗っ取ったブリーディングの妨げになっています
また、ブリーダーの多くは自分たちの住む家でブリーディングをしているケースも少なくなく、その自分たちの住んでる場所へ1日8時間勤務のスタッフを雇用するというのも難しいみたいです
結局のところ何ら解決策が見つからずあたふたしているのが現状ではないでしょうか?
皆さんは知らないと思いますがブリーダーの多くは団塊の世代又は、その世代に差し掛かろうてしている方々が多くいらっしゃいます
これは、決定的にペット産業をこれから萎縮させていく大きな要因になると思います
ブリーダーで独立をしていて20代は見たことありません
30代もほぼほぼ皆無で、40代以上50代からが多いんです
そして、後に続く世代が居なく、現役が高齢、それで持って法改正で辞める…というているわけです
ブリーダーになるには免許なんて要りませんがスキルが絶対的に必要になります
出産は24時間いつでもありますし、自分たちの時間を犠牲にして初めて成り立つキツイお仕事です
1兆5千億まで膨れ上がったペット産業は、こういった高齢で世代交代が進まないもろくて、弱い個人個人のブリーダーに依存しています
この構造上の問題を解決しないことには日本のペット産業に未来はありません
ブリーダーを志し、30頭程犬を集めるのに1000万円掛かります
赤ちゃんを生産するまでに一年以上掛かります
設備、獣医代、飼育コストはもちろん赤ちゃんが産まれてなくても掛かります…
おまけにブリーダーは悪…と言う間違ったレッテルも貼られます
誰がしますか⁉️
静かにそして不可逆的にペット業界は、法律うんぬんではなく縮小の道を歩き出してるように思えてなりません
自身もブリーダーですからここ3週間程、このことについて自問自答をし、悩み、もやもや感がありました
幸い、我々はそれほど多くの犬又は猫を抱えていません
法律が施行されても直ちに影響も出ませんし、雇用も出来ます
量より質、身の丈に合ったブリーディングを追求してますから問題はありません
しかし、愛護団体とペット業界の板挟みで、両者の言い分がよくわかります
こんなこと書いたらお前何言うてんねん!て怒られそうですが、悪徳ブリーダーはいます
これは前回ブログにも書きましたがブリーダーは足し算…産まれたら産まれただけ売れる…という構造上の問題があります
なので親犬を無制限に増やして行くんですね
皆さんも見ておられる方が居ると思いますが、半沢直樹…
今日も面白かったですね
今日の放送で、半沢が仕事とは世の中の為、お客さまの為にするもの…
それをどこがで見失い自分のために仕事をしていくと自身が腐っていき、やがて社会が腐っていく…と言うセリフがありました
まさしく正論中の正論です
わたくしがこのペット業界に入ったきっかけは、その家でこれから飼われる家族の一員をその家庭に紹介をし、橋渡しが出来ることに夢を感じ、素晴らしい仕事だと思ったからです
それがいつしか、ペットショップは悪!ブリーダーは悪
!と、後ろめたさを感じる風潮になんとなく時代が変わり、自分がしてきた仕事に対して自問自答を繰り返していました
自分たちの仕事は世の中、皆さんの為になっているのだろうか?
自分を見失い自分の為だけに仕事をしていないか?
先日、お休みを頂いて阿蘇まで行ってきました
だいぶ前のブログにも書いていますが阿蘇は日本で一番好きな景観です
日本人の宝、日本人の財産です
もやもやしてる時には素晴らしい阿蘇山の景観を見て自分を見つめ直したいと思ったのです
そこで、ふらっと立ち寄った阿蘇猿まわし劇場…
コロナ禍でしょうか?1日2回公演の午後の部に行くと待ち合い室には誰も居てません
そして公演の時間になり…お客さんはわたくし達二人だけでした
普通なら50人とか100人とか居るような立派な劇場にお客は二人
一人1200円なんですよ…二人でたった2400円なんですよ…
それを、一生懸命40分間、劇団の方々とお猿さん2頭が一切手抜きせず二人の為だけにショーを見せて下さりました
この時、このもやもやが一気に晴れ、自分がこれからしていくことが明確に見えました
やはり、この業界に入ってきた時の気持ちを今も自信を持っていますし、これからもここのポメラニアンが一番!と言って貰えるようにブリーディングに励みたいと改めて思いました
阿蘇猿まわし劇場…オススメです
是非とも阿蘇に立ち寄った際には見てください
心が浄化される場所ですね
ベティの赤ちゃんです
白雪姫の赤ちゃんです
唯一無二のポメラニアンを目指してこれからも頑張ります