こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
先日のブログ記事、『 声掛けが苦手なスタッフさんは、最初の声掛けが一番難しい! 』で、『POPによる声掛け』を紹介しました。
そんなPOPを作る時の注意点が、
◆(A)『なぜ、POPで声掛けするのか?』
◆(B)『何を、POPで伝えるのか?』
◆(C)『誰に、POPで投げ掛けるのか?』
この3つです。
今回は、『POP』よりも強力な、『現物訴求による声掛け』を紹介したいと思います。
より具体的な話にしたいので、クリーニング店の事例です。
夏場のお客さんの衣類には、結構汗が染み込んでいます。
それを、『汗抜き』という付加価値をおすすめするのです。
しかし、お客さんは、『なぜ、汗を抜かなければいけないのか?』、『汗を抜くと、どうなるのか?』をほとんど知りません。
だから、『現物訴求』で、実際の衣類を使って店内でディスプレイするのです。
例えば、『ズボンの汗抜きの現物訴求』をした事例が、下の写真になります。
『現物訴求』を考える注意点も、『POP』を考える場合とほぼ同じです。
◆(1)『何を、現物訴求で伝えるのか?』から考えます。
まず、『きっかけ情報』を考えるのです。
これで、『汗の問題』に気付いてもらいます。
例えば、
・『実は、ドライクリーニングだけでは、汗は落とせません』
・『そんなゴワゴワ感のあるズボンを汗抜きすると、こんなにサラサラに!』
・『履き心地の良さと軽さが、実感できますよ!』
・『その違いを、直接触って、確かめてみて下さいね』
こんな感じで、『きっかけ情報』を現物訴求するのです。
次は、
◆(2)『誰に、現物訴求で投げ掛けるのか?』
この(2)の『誰に』は、重要です。
しかし、(1)の『何を』は熱心に考えても、『誰に』は結構曖昧になりがちになります。
理由は、その方が『見込み客』が多くなるからです。
確かに、これも一理はあります。
しかし、いくら『見込み客』が多くなったとしても、『成約率』が上がらなければ、成果は出ないのです。
例えば、次の3通りの声掛けをしたとします。
このうち、どれが一番、『成約率』が高いと思いますか?
◆(a)『みなさん、汗抜きはいかがですか?』
◆(b)『ズボンがゴワゴワのあたなに、汗抜きしておきましょうか?』
◆(c)『〇〇さん、汗抜きしときますね!』
どうでしょうか?
状況にもよりますが、通常、『成約率』が高い順番は、(c)→(b)→(a)の順になります。
この時、(c)と(a)の場合は、『現物訴求』はあまり必要としません。
なぜなら、(c)の声掛けができるのは、このスタッフさんをすでにお客さんが信頼しているからです。
また、(a)の声掛けをするスタッフさんは、ほとんどのお客さんに声掛けしています。
だから、『現物訴求』は、(b)の声掛けをする時に有効です。
その上で、
◆(3)『なぜ、現物訴求をするのか?』
これは、もちろん、『声掛けしやすくする』ためです。
そのためには、お客さんに、『最初の行動』をしてもらいます。
今回の場合の『最初の行動』は、『ズボンに触ってもらうこと』です。
『触ってもらえたお客さん』に、声掛けするといいでしょう。
例えば、
・『この衣類も汗抜きしておきましょうか?』
このように声掛けすると、『やっといて!』となりやすいです。
もしも、『現物訴求』を見ているだけのお客さんには、『実際に触ってみて下さい』と、コロナがある程度収束すれば、声掛けすることもできますね。
すると、『へぇ~、こんなに違うの?』と驚かれるお客さんも多いです。
こうなれば、この後の声掛けがとても簡単になるでしょう。
一度お試しを!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則