こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
先日のブログ記事、『 言葉は曖昧である。しかしその曖昧さを補うのも言葉である 』で、人が何かを決めて行動するには、4つの要素があると書きました。
それが、『理性』、『感情』、『感覚』、『本能』の4つです。
人の『本能』は、『痛みを避けて、快楽を得る』という基準で行動しているとも言いました。
これは、動物全般に言える事ですが、人間はちょっと違うのです。
それは、いくら『痛み』があったとしても、『理性』で我慢させるところになります。
つまり、『痛み』という『感覚』から来る、『イヤだ』という『感情』を、『これがルールだから、仕方がない』という『理性』で、我慢させられるのです。
どうでしょうか?
あなたも、イヤイヤながら、仕方なくやっていることは、ないだろうか?
しかし、こんなことができるのは、人間だけです。
ほとんどの動物は、こんなことできません。
そんな人間であったとしても、『現状を変えなければいけない時』は、違って来るのです。
例えば、『今のままではいけない』、『何か変えなければいけない』と、『理性』が思ったとしても、そのためには、『痛み』が伴うと、『本能』が反応したら、躊躇してしまいます。
この時、まだ『感覚』としての『痛み』や、『感情』としての『イヤな出来事』は、何も起こっていないのです。
にもかかわらず、行動できなくなります。
これは、『本能なので、どうしようもない」と、考えてしまうと、もはや動物と同じ反応になってしまうのです。
極端な話、この時の選択は、『あなたは人間ですか、それとも動物ですか、どちらを優先していますか?』を、問われていると言っても過言ではありません。
それくらい、『現状を変える時』は、『痛み』に対する勇気と覚悟がいるのです。
ここで言う『痛み』とは、『自分には、重荷である』と、自ら感じる痛みと、『あなたなんかには、まだ早い』と、周りの雰囲気から感じる痛みがあります。
どちらも、強い『痛み』を感じると、行動できないのです。
しかも、今は、それらの『痛み』が、SNSなどの情報環境の発達により、細分化されて感じられます。
<例えば>
◆(A)『いつ』・・・どのタイミングの痛みなのか?
◆(B)『どこの』・・・どんなシーンによる痛みなのか?
◆(C)『誰に』・・・どんなイヤな気持ちに対する痛みなのか?
これらの細分化された『痛みを避けて、快楽を得てもらう』には、何が必要なのか?
ここを察して、提供できなければ、『現状を変えること』はできません。
人間である以上、本来は『痛み』という『感覚』があったとしても、『理性』で克服し、変化への対応をしていかなければいけないのです。
しかし、全ての人間が、それができないのも事実になります。
生き残るために、『変化は危険』と反応する『本能』が邪魔をして、変化に消極的になることも分からないわけではありません。
しかし、今の時代は、それでは逆に生き残れないのです。
覚悟を決めて、本能に立ち向かう勇気が、今こそ大切な時ではないでしょう。
それでも、そんな勇気が持てない人のために、サポートする環境が必要なのかもしれません。
覚悟を決められないのが悪いのでなく、サポートする環境がないのが悪いと考えることで、現状が変えやすくなります。
ここに早く気付いたところから、現状が変わり出すと言ってもいいでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則