言葉は曖昧である。しかしその曖昧さを補うのも言葉である | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

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もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。



人が何かを決めて行動するには、次の4つの要素が影響していると考えています

 

それは、

 

◆(1)『理性』

 

◆(2)『感情』

 

◆(3)『感覚』

 

◆(4)『本能』

 

 

この4つです。

 

 

一番分かりやすいのが、(1)の『理性』になります。

 

なぜなら、言葉で伝えることができるからです。

 

『結果』や『数字』で表される客観的事実をもとに、論理的に伝えられるので分かりやすくなります。

 

 

しかし、人は、(1)の『理性』だけでは決められません。

 

それは、(2)の『感情』や(3)の『感覚』、(4)の『本能』の3つの要素が邪魔をするからです。

さらに、これらの3つの要素は、どれも言葉にしづらいから厄介になります。

それでも何とか伝えるために、後付けで無理やり言葉にしていることが多いです。

 

 

 

例えば、(2)の『感情』は、好き嫌いや不安恐怖、あるいは怒りによって、とても大きな影響を受けます。

 

また、(3)の『感覚』は、視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚などにより、もっと繊細な影響を与えるのです。

 

そして、(4)の『本能』は、『痛みを避けて、快楽を得る』と言われるように、とてもシンプルに反応してしまいます。

 

 

だから、後付けの言葉が、『本当に自分が感じたことなのか?』、話している本人も分からないことが多いです。

 

 

このように、『言葉は、とても曖昧なもの』になります。

 

 

 

『言葉が曖昧なもの』であるとすれば、『お客さんが使う言葉も曖昧』と思わなければいけません。

 

つまり、お客さんの言葉を鵜呑みにしてはいけないということです。

 

 

<例えば>

 

お店で、お客さんが、『〇〇してほしい』と言われたら、『はい、分かりました』と、鵜呑みにせず、『どうして、そう思われたのですか?』、『何があったのですか、ちょっと教えてもらえますか?』と、尋ねる必要があります。

 

なぜなら、お客さんが何気なく使っている『言葉の背景』には、それなりの事情があるからです。

 

 

この事情の中に、先ほどの『感情』や『感覚』、『本能』が隠れています。

 

 

これは、言葉にしにくいものなので、こちらが意識していないと聞き逃してしまうことも多いです。

 

それでも、しっかり聞くことで、『お客さんが本当にやりたいこと』が分かります。

 

この『本当にやりたいこと』が、当初の『〇〇して欲しい』と同じなら問題ないのですが、そうでないことが多いでしょう。

 

 

だから、お客さんの言葉を鵜呑みにしてはいけないのです。

 

 

 

お客さんの言葉の背景にある事情が分かると、このことを、同じような問題を抱えている他のお客さんに伝えることができます。

 

<例えば>

 

◆(A)『感覚』

 

『最近、こんな変な感覚があるあなたに』

 

 

◆(B)『感情』

 

『こんなイヤな感情を持ったことはありませんか?』

 

 

◆(C)『理性』

 

『実は、これが原因です』

 

『これを解消すると、こんな結果になります』

 

『そのための手段はこれです』

 

 

◆(D)『本能』

 

『こんな痛みを感じたら、今すぐこんな行動をして下さいね』

 

 

 

こんな感じで伝えることもできるのです。

 

 

 

 

言葉は曖昧ですが、その曖昧さを補うのも言葉でしかできません。

 

そのためには、言葉の背景にある事情をよく聞き取ってあげて下さい。

 

ここが理解できれば、お客さんに言葉で伝えやすくなるので、反応がぐ~んと良くなって来ますよ。




最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則