「ウルロォーン ウルロォーン」

「ぴっぴ ぴりり ぴゅーる ぴゅる

 そらそら おどれ ぴゅーる ぴゅる」

6歳の息子が突然口づさんでいました。


『おどりトラ』(福音館書店)
再話 金森襄作
絵 チョンスクヒャン

踊りの好きなおどりトラは、狩りの最中にも踊りだしてしまい、山の仲間から追い出されます。

その後、おどりトラは踊りの腕を磨き、病気を治すなどの不思議な力を持うようになり、人々に喜ばれます。

久しぶりに山に戻ったおどりトラを、トラの仲間は喜んで迎えます。

お祝いのごちそうを探すため出かけたトラたちは、人間の臭いを嗅ぎつけ、駆け出します。

ウルロォーン ウルロォーン

きこりは、必死に柳の木の上に登りますが、すぐ下までトラが迫ったため、この世の最後の思い出にと、笛を吹き始めます。

ぴっぴ ぴりり ぴゅーる ぴゅる

すると、おどりトラが…。
きこりの運命は…。

韓国・朝鮮の昔話で、お話の展開が面白く、絵も迫力があり、また、おどりトラの表情も滑稽で、子どもたちを最後までしっかりと引き付けます。

また、絵本の中に出てくる言葉が、リズミカルで心地よく、耳に残ります。

3歳の息子も気に入って、何度も読んでいました。

たくさんの子どもたちに届けたい絵本ですが、現在品切れ中で、購入できません。とても残念です。

東京子ども図書館が行った、子どもたちによる、復刊してほしい本の投票でも、上位にランクインしていました。

今年の干支でもあるし、ぜひ復刊してほしい!!です。

図書館で借りて、ぜひ読んでみてください☺️
昨年は、勤めている調剤薬局で、絵本で脳活イベントを開催しました。

コロナ禍で延期などしながらも、4月から5回ほど開催できました。

毎回、絵本をたくさん読んで、感想などを話し合いました。

参加者の方に希望を伺って、脳トレ体操や誤嚥予防の体操も取り入れました。

初めての試みで、試行錯誤でしたが、今は、常連の方々がいてくださり、「孫に絵本を読むようになりました。」と嬉しい報告をしてくださったり、「いつも楽しみにしています。長く続けてくださいね。」と励ましてくださったりして、私も皆さんから元気をいただいています🥰

「癒やされる」「薬局のイメージが変わった」などの感想も多くいただいています。

さらに、皆さんの心身の健康に役立つイベントにするために、今年もブラッシュアップしていきます!!✨✨







とっても久しぶりの投稿です😅

10月末頃から年末まで、怪我や体調不良が続き、受診や検査ばかりしていました💦

体力の限界を感じたので、必要最低限の仕事や育児に集中し、SNSから離れていましたー。

それでも、すべての怪我や不調が大事には至らず、今、こうして、元気にいられることに、ありがたいなぁと幸せを感じています🥰💕

体調も落ち着いてきたので、ぼちぼち、またSNSを楽んでいこうと思います☺️


『なにか、わたしにできることは?』
文 ホセ・カンパナーリ
絵 ヘスース・シスネロス
訳 寺田真理子

様々な新聞の記事を見て、おじさんは不安になります。「なにか、わたしにできることは?」という言葉が、頭の中をぐるぐるまわり、落ち着きません。

ある日、おじさんの口から、その言葉が飛び出します。
「なにか、わたしにできることは?」

身近な人々のお手伝いをしたおじさんは、不安から開放されます。

それは、口を開けば、いつでもその言葉が飛び出し、また、誰かがそれに応えてくれることも知っているから。


何か役に立ちたくて、大きな貢献がしたくて、焦ってぐるぐるしていた私でしたが、まずは、身の丈にあった、小さな貢献を、ゆっくり積み重ねていこうと、落ち着くことができました。

セルフイメージを高めるのは、楽しいことですが、今の自分を否定しているような気もするのです。

等身大の私を大切にしたい。

今年は、夢を達成する速さを意識するのではなく、「今、ゆったりとした気持ちで、健康で幸せであること」を大切にして、ゆっくり進みまーす🥰

この絵本は、以前、尊敬する絵本屋さんに勧められて購入しました。

正直に言うと、当時は良さがあまりわかりませんでしたが、改めて読むと、今の私にグッと響きました☺️
最近、急ぎすぎていると
感じていたので、

普段は自転車か車を使う
図書館までの道のりを、

あえて、30分かけて
のんびり歩いてみました。

途中で見かけた、
お母さんと歩いている
3歳位の男の子が、

らせん階段を見て、
「カタツムリみたい!」
と言い、

お母さんが、
「ふふふ、そうだね」
と楽しそうに笑っていました。

私が一番大切にしたい
平和がここにある、
と思いました。


『いっぽ、にほ…』(童話館出版)
シャーロット・ゾロトウ 文
ロジャー・デュボアザン 絵
ほしかわなつこ 訳

2、3歳位の女の子と
お母さんが、
散歩に出かけます。

子どもは、好奇心の塊。

草花や生き物、
光を浴びてきらめく小石、
風になびく洗濯物、
鐘の音など、

あらゆるものに
次々と興味を示し、

五感でいっぱいに感じます。

そんな女の子との散歩を楽しみ、
幸せを感じるお母さん。

お家から出発して、
お家に帰るまでが
描かれている、
行って帰る話の構成や、

すべてを受け入れて
くれるお母さんの存在に、

安心感で満たされる、

特に2歳頃の子どもたちの
心を捉える絵本だと思います。

場面が春なので、
季節外れではあるのですが、

図書館から帰宅して、
この絵本に
自然と手が伸びました。

何を一番大切にしたいのかを
見失わずに生きたい、

と改めて思った1日でした。
夫「うんとこしょ
  どっこいしょ

  まだまだかぶは?」

3歳の次男
 「ぬけません!!」

夫「うんとこしょ
  どっこいしょ

  やっと、かぶは?」

次男「ぬけました!!」

父子で、
楽しそうに
絵本を読んでいる声が、
聞こえてきました。

私が読むときは、
私一人でずっと読むので、

こんな楽しみ方もあるんだなぁ
と感心しました☺️


『おおきなかぶ(ロシアの昔話)』(福音館書店)
A・トルストイ 再話
内田莉莎子 訳
佐藤忠良 画

大きなカブを
おじいさんが抜こうとしますが抜けず、
おばあさんを呼んできます。

2人で引っ張っても抜けず、
今度は孫娘を呼んできます。

引っ張る人(匹)数が
だんだん増え、

最後は、
小さな小さなネズミが
加わることで、
めでたく抜けました。

おなじみのロシアの昔話です。

絵を描かれているのは、
彫刻家の
佐藤忠良(ちゅうりょう)さん。

敗戦後の数年間、
シベリアで抑留生活を
送られたため、

ロシアの人々の様子や
空気感をご存知です。

紙も鉛筆もない抑留生活の
厳しい労働の中でも、

ひたすら、
眼だけでデッサンを
されていたそうです。

慣れない絵本の挿絵には、
苦労されたそうです。

引っ張るポーズの
デッサンを繰り返しても、

どうしても押しているように
見えてしまうと、

納得のいくまで
何度も何度も
描き直されたそうです。

その話を知り、
完成した絵本の絵を
改めて見ると、

どう見ても、
引っ張っているようにしか
見えませんでした✨

このお話は
昔話ではありますが、

再話したA・トルストイの
平和への思いが
込められた作品でもあります。

(注意『イワンのばか』や
 『アンナ・カレーニナ』の
 レフ・トルストイとは
 別人です。)

ロシアの共産主義者だった
A・トルストイは、

一番小さく弱い者が
大切にされる世界、

一番小さく弱い者が、
世界を動かす世界、

を平和な理想の世界
と考えていました。

作り手の方々の背景を知ると、

感動がさらに広がり、

作品や作り手に対する
敬意も深まります。

背景などは全く考えていない
子どもたちにも
大人気の絵本です。

助けを呼んできては引っ張る、
を繰り返すことで、

だんだんと人(匹)数が多くなり、

最後はカブが抜けて大満足、

というお話の構造が、

特に2歳から3歳にかけての
子どもたちの心を捉えます。

本好きな70代の女性から、
この絵本が一番好きだと
お話を聞いたこともあります。

長々と
語りすぎてしまいましたが😅、

とにかく、
一度は読んでいただきたい
傑作です☺️