ゲイで鬼のフランス人教授、ケニー先生の前で私がやらかした
おそろしいこととは・・・・・。
(これは、「私がフランス語を勉強した理由」の続きです。)
あれは、私がまだ
フランス語を学び始めて6ヶ月(超初心者)の、
大学一年生のある日。
私たちの研究室のパーティーがありました。
みんながなごやかに談笑を交わす中、
ケニー先生に話しかける学生は、
誰もいない・・・
だって、ケニー先生、本当に怖かったんです。
パーティーの時くらい、
あの緊張感から解放されて楽しみたい。
そう、誰もが思っていたのです
でも、私たちは新入生ですから、
やっぱり先生方にお酌をしに行ったりも
しなければなりません。
でもケニー先生に、
フランス語で話しかけるなんて、
無理無理!!
何しゃべったらいいか分からないし、
うっかりしゃべった
フランス語が間違ってたら、
「今まで何を勉強してきたんだ!」
って、怒られそうだし。
そこで、私たち1年生はどうしたか。
「ねぇねぇ、誰が
ケニー先生にお酌しに行く?」
と女子たちで相談した結果、
同級生の美男子を
ケニー先生の隣に無理やり座らせ、
ケニー先生のご機嫌を取ることに。
かなり卑怯な手を使い、
今思えば、その男子には
とっても気の毒なことをしました。
でも、ケニー先生、普段からその男の子が
めちゃくちゃお気に入りだったんです。
(ケニー先生、顔を赤くして嬉しそうだった)
でも、そんな私たちの
消極的な態度に気づいた日本人の教授が、
私にこう言いました。
「愛さん、せっかくケニー先生が
ここにいらっしゃるんだから、
何かフランス語でしゃべってみたらどうですか?」
「・・・え?」
(心の声)
無茶振りすな〜〜!!!
すぐ近くにいて、
教授と私の会話を聞いているケニー先生。
日本語が分からないフリをしていますが、
絶対聞こえてるし、わかってる。
そして、私が先生に
話しかけるのを待ってる
とにかく、
怒らせるようなことは言いたくない。
そうだ、とりあえず褒めておこう。
「私、先生の授業がとても好きなんです」
そう言おうと思いました。
先生の授業は、
しっかり予習や宿題さえしていれば
楽しくて、本当に好きでした。
なのに、なのに。
私の口からすべり落ちた言葉は。
先生を、愛しています。
"Je vous aime."(Je t'aime.[ジュテーム]の親しくない人版)
なんと、なんと、私は
鬼で
ゲイの先生に、
愛の告白をしてしまったのです!!!
もちろん、
先生に恋愛感情があったわけではありません。
だいたい、
フランス語を始めて半年やそこらで、
「あなたの授業が好き」
なんていう複雑なフランス語を
とっさに思いつくわけがないわけで
そこで私はうっかり、
「あなたが好き」("Je vous aime.")
と言ってしまったわけです
これは、フランス語では
まぎれもない
「アイラブユー」、愛の告白
それを聞いた
ケニー先生、日本人の教授、研究室の先輩、
とにかく周りにいた人全て、
全員が凍りつきました。
(↑みんな、ほんとにこんな顔だった。)
(ケニー先生がゲイであることを
公言しているわけではありませんが、
教授も学生も、みんなそのことを知っている。)
こ、こわいですねぇーーーーー!!
その辺の怪談なんか、屁でもない。
その後、どうなったのか、
私はどうやって家にたどり着いたのか、
全く覚えていません。
そして、次の授業では
ケニー先生に完全に無視されました
私は、それから
何事もなかったように
授業は皆勤賞、遅刻もゼロで、
一生懸命勉強しました。
そうするしかありませんでした。
その懇親会の夜のことを弁解しようにも、
フランス語が初心者すぎて
何て言えばいいのか、わからなかったから。
だから、
ただ一生懸命勉強しました。
単位を取るためにも
これ以上先生に嫌われるわけにはいかないし、
さすがに私が優等生になれば、先生としても
私のことを無視しつづけるわけにはいかないだろう。
そう思っていました。
当然、
「もう二度と、こんな恥をかきたくない」
という悔しい気持ちもありました。
それが一番大きかったです。
一生懸命勉強したおかげか、
単なるインパクトの問題かは不明ですが、
その後ケニー先生は、
私のことをちゃんと覚えてくれて
その他大勢の「マドモワゼル」ではなく、
名前で呼んでくれるようになりました。
今考えると、あの事件がなければ
私があれほど本気で勉強したかどうか疑問です。
現在、残念ながら
フランス語は必要ない生活をしています。
でも、フランス語を解するおかげで
たくさんの素晴らしい経験をしました。
現在の英語力に達するにも
フランス語の知識がものすごく生かされているし、
本当に良かったと思います。
教訓:
「人生において起こることには、全て意味がある。」
たとえ、ゲイの先生に
間違って愛の告白してしまったとしても。
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