2024年3月16日 読売新聞
(写真:読売新聞)© 読売新聞
盛岡市動物公園「ZOO(ズー)MO(モ)」内で予定された寄付金による動物病院の移転計画が危機を迎えている。整備費用は約1億2000万円の見込みだが、2月末時点で集まったのは1割にも満たない約950万円。市は14日、クラウドファンディング(CF)型のふるさと納税を4月から活用し、資金調達に力を入れる方針を明らかにした。
市などは、命と向き合う診療現場を見学し、動物との関係を見つめ直すきっかけにしてもらおうと、園内の目立つ場所への動物病院の移転・新築を計画。2027年度中の完成を目指し、設計は世界的な建築家・槙(まき)文彦さんが設立した「槙総合計画事務所」(東京都)が手がける。
当初約9000万円としていた整備費用は、建築資材の高騰などで増加。市は20年から企業版ふるさと納税、昨年からは通常のふるさと納税の制度を活用して資金を募っているが、目標額には遠く及ばない状況となっている。
CF型のふるさと納税は、寄付金の使い道として具体的なプロジェクトを掲げ、共感した人から寄付を募る。4~6月の90日間募集し、目標額に達しなければその後も続けるという。
市の担当者は「動物の命と向き合う動物病院の理念を知ってもらい、何とか資金を集めたい」と話している。