函館市が動物愛護管理センターを開設 元万年橋幼稚園を改修 | トピックス

トピックス

身近で起こっている動物に関する事件や情報の発信blogです。

2024年3月15日 函館新聞デジタル

 

 函館市は、道と共同運用する動物愛護管理センターについて、元万年橋幼稚園(吉川町)を改修し、11月に開設する。保健所で引き取った犬や猫を最大50匹程度保護することが可能で、新しい飼い主を探す譲渡会も行い、殺処分を減らす。

 

利活用し11月に動物愛護管理センターとなる元万年橋幼稚園(函館新聞社)

 

 道は動物愛護管理の機能を拡充するため、2024年度までに道内4カ所にセンターを順次配置し、道内全体のセンター運営の総合調整を担う「基幹センター」を酪農学園大キャンパス内(江別市)に置く。道東は十勝管内音更町、道北は北見市で運用を始め、函館は道南センターの役割を担う。  

 

 施設運用は札幌の事業者に委託し、統括責任者1人、常勤職員1人、非常勤職員1人の体制で業務にあたる。保健所で引き取った犬や猫を最大50匹程度保護でき、新しい飼い主を探す。引き取りはセンターで直接行わない。飼養に適した環境を整え、温度管理ができる空調設備を設けるほか、中庭を運動用に活用する考えも。改修工事費の1億378万円は市が負担する。  

 

 市内では現在、市立函館保健所と犬猫管理所(見晴町)が動物愛護管理法に基づき、引き取りと収容した犬猫を飼養、保護している。今年度は犬猫計76匹を引き取り、多くは飼い主の元に返還している。保健所は健康診断の対応のみで、病気を理由に譲渡できない猫の殺処分が20年度に15件、21年度7件、22年度は5件あった(犬は3年間でなし)。殺処分ゼロに向け、事業者がワクチン接種の対応なども検討する。

 

 同保健所生活衛生課は「引き取った犬猫を長期にわたり保護することで、新しい飼い主を探すことができる。殺処分の減少につながることを期待するほか、適正飼育の周知と啓発の取り組みにもなる」とし、設置場所については「市の遊休施設を利活用し、市内外からアクセスが良く、保健所からも近い。近隣に住居も少ない」としている。  

 

 元万年橋幼稚園は4月下旬から改修工事に着手、内装工事と屋根の補修などを行い、外観は維持する見通し。