被災地の軽自動車で暮らすネコ5匹 早く「家族」一緒に安全な場所へ | トピックス

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2024年2月4日 朝日新聞デジタル

 

軽自動車に避難するネコ=2024年2月2日午後6時12分、石川県輪島市河井町、小宮路勝撮影© 朝日新聞社

 

 石川県輪島市の避難所の小学校で、軽自動車の中にかわいいネコの姿が見られる。前を通る被災者らが写真を撮ったり眺めたりして癒やされている。

 

軽自動車に避難するネコたち。飼い主の女性にとってネコは家族同然。「安全な場所にネコを移したい」と願う日々が続く=2024年2月2日午後6時10分、石川県輪島市河井町、小宮路勝撮影

 

 軽自動車は震災を逃れた5匹のネコの「緊急の避難所」。地震の影響で自宅が傾き母親と震災当初から小学校に避難を続ける介護職の50代女性の飼いネコたちだ。

 

 4匹のネコを自宅で飼っていた。震災で逃げ遅れたネコを危険な建物から3匹救出。1匹は後日知り合いが見つけ無事保護してくれた。自宅が倒壊した友人のネコも避難所に入れず預かることにした。

 

 避難所でネコと暮らしたいと相談したが仕切りのない体育館ではネコアレルギーなどの問題から願いはかなわなかった。

 

 女性にとって、ネコは家族同然。「人間だってそうでしょう。家族ならどんなことをしても守る責任がある」

 

 被災地では雪が舞う日が増えている。そのため車内は寒さを避けるため防水シート、ヨガマット、毛布などを敷き詰め、寒さが厳しくなる夜と朝には暖房を入れている。毎日の換気と2、3回の食事、朝夕の水を欠かさない。毎週日曜には体を拭き、爪を切る。し尿の処理などもしているため車での移動も制限している。

 

 「安全な場所にネコを移したい」と願う日々が続く中、3日にネコの捜索に協力してくれた仲間からトレーラーハウスに空きがあると連絡があり「家族」で入居することを模索中だ。「ほかの場所でもペット同伴の避難者がいて人とネコを区別することに葛藤していると思う。『家族』が一緒に過ごせる場所が見つかることを願っている」

 

 ペット問題を行政などに相談せず、自己完結しようとするお年寄りらが多いという。「ネコを探していることを周囲に知らせ仲間を作って欲しい。情報を共有することで横のつながりができ可能性が広がり前に進んで行ける」と話した。(小宮路勝)