2022年12月24日 南日本新聞
鹿児島県伊佐市の羽月西小学校3年楠八重哉斗君が「第63回動物愛護の作文コンテスト」で入賞した。叔父が近くで育てる子牛「チビ」の世話を手伝った経験を基に家族愛への思いをつづり、高く評価された。夏休みの宿題を学校が提出した。
コンテストは生命を尊重し、思いやりの心を育むことを目的に、日本動物福祉協会(東京)が毎年開く。全国の158小中学校から1251件の応募があった。11月20日、東京で表彰式があり、楠八重君は常陸宮妃華子さまから賞状を受け取った。
楠八重君は、育児放棄した母牛に代わり、兄と共にミルクをあげる手伝いを買って出た。ほ乳瓶の大きさや子牛の力強さに苦戦しながらも毎夕励んだ。
自分の子と認識していないのか、母牛はチビを攻撃してしまう。「チビの立場だったらすごくさみしい」というと、叔父から「お母さんが体調が悪いから、子どものことを考える余裕がないんだよ」と教わった。「僕がチビのお兄ちゃんみたいになってそばにいるから、大きく育ってね」と優しい言葉で締めくくった。
父達哉さん(50)は「こんなことを考えて手伝っているとは思わなかった。優しい子に育っている」と目を細める。楠八重君は「大人の牛は大きくて怖いけど、また手伝いたい」と話した。