2021年12月16日 @niftyニュース
かわいいわが子を、すべての悲しみから守ることはできない。しかし、まだ幼いうちは、そんな思いから回避してあげたいと思うのが親心だろう。
娘と、今後つくられるはずだった思い出を守るため、死んだペットの代わりを用意したことを告白した母親に、批判が殺到した。『Mirror』など海外メディアが報じている。
■一目でわかる異常
ある母親が、海外の人気掲示板に投稿した内容が話題を集めている。その母親の一家は最近、庭に池のある家に引っ越したばかりだった。そして、どのようにして命が生まれて育つのかを知る手段として、アヒルを卵から育てることを決めたのだという。
数週間後、卵の孵化が始まった。ところが娘の一人が「自分が育てる」と選んだ卵だけが、なかな孵化しなかった。数日後にやっと生まれたアヒルを見て、大人たちは一目で何かがおかしいと感じたという。
■死んだアヒルの代わりを購入
「デビー」と名付けられたそのアヒルは普通に食べ、水を飲むこともできていたため、娘たちはその異常には気づいていなかった。しかし密かに獣医師にアヒルを診せた母親は、「遺伝的な問題なので、何もできることはないです」と告げられたという。
そしてある日、朝起きて子供たちが学校に行く前、デビーが死んでいることに気づいた母親は、子供たちを学校へ送り出した後にデビーを埋葬。そして、デビーに似たアヒルを買ってきた。
■「死」を遠ざけた戸惑い
その後、母親は自身の母親にアドバイスを求め電話した。すると子供たちに「死」について語ることを避けるべきではなく、代わりを用意するべきではなかったと、糾弾されたという。
母親は「死も人生の一部であるということはわかっています。でも、これから何年も他の子はアヒルの成長を楽しめるのに、娘だけその中に入れず、思い出を台無しにしたくなかったのです」と、人気掲示板『Reddit』の中の「私が悪いか」のスレッドに投稿した。
■「死」と「年齢」の関係は…
投稿に対し、スレッドは「あなたが悪い」という意見であふれ、「死は人生の中で避けて通れるものではない」という事実が指摘されておいる。
ある人は「自分の愛した親族が亡くなるより前に、ペットの死から向き合わせるべきではなかったか」「命が生まれ育つプロセスを見せたかったなら、そこに死があることも学ばせるべきだったのではないか」など、母親の行為に批判的だ。
しかし、「まだ4歳ならもう少し待ってもいいかも」という意見も、少数ながらある。
この母親の行為は、子を大切に思う気持ちには違いないだろう。だが、幼いわが子のためにペットを飼うときには、「死」と向き合うことへの覚悟を、親自身も持つ必要があるのかもしれない。
(文/Sirabee 編集部・原田パラン)