2021年12月13日 日刊スポーツ
サウジアラビアで開かれたラクダの美しさを競う世界最大級のラクダコンテストで、ラクダにボトックス注射をするなど美容整形が行われていたことが明らかになった。米ピープル誌やニューヨーク・ポスト紙が報じている。
ボトックス注射で顔の表情を変えたり、ホルモン剤で筋肉を増やすなど美容整形が施されたとして、40頭以上のラクダが失格になったという。
12月初めに首都リヤドの郊外で開幕されたアブドルアジズ国王キャメル・フェスティバルは今年で6年目となり、ブリーダーが6600万ドルの賞金をかけてラクダの美しさを競うことで知られている。
頭や首、こぶの形や姿勢が審査基準となっており、長い唇や大きな鼻がより美しいとされている。そのため、以前から悪徳ブリーダーによる美容整形が横行しており、2018年にも美容整形による改ざんがあったとして12頭が失格になっている。主催者はエックス線など特殊で高度な技術を駆使して不正の取り締まりを強化しており、今大会では唇や鼻を延ばしたり、ゴムバンドを使って体の特定部位を膨らませたり、フィラーを使用して顔をリラックスさせたりする改ざんが多数見つかったという。違反者には多額の罰金が科せられている。
人間の都合でラクダに禁止されている美容整形を行うことについて、「ひどく残酷な動物虐待」だと動物の権利団体からも批判の声が上がっている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)