「病院犬」に理解を 横浜・こども医療センターを昭恵夫人訪問 | トピックス

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産経新聞 2/3(金) 7:55配信

 患者と触れ合いながら、不安や
ストレスを和らげる「ファシリティ
ドッグ」。国内にいるのは2頭のみで、
そのうち1頭が県立こども医療センター
(横浜市南区)で“勤務”している。

ファシリティドッグの理解促進に向け、
同センターを安倍晋三首相夫人の
昭恵さんが訪問。

昭恵さんは「存在を知ってもらって、
普及に役立ちたい」と話している。 

病室にファシリティドッグの
ゴールデンレトリバー「ベイリー」が
現れると、それまでベッドで横に
なっていた男児の顔に笑顔が広がり、
ベイリーのもとに駆け寄った。 

◆「頑張れる」 
注射や点滴などの「痛い」治療や
手術室への付き添い、リハビリ支援など、
「ベイリーがいるから頑張ることが
できる」と子供たちを勇気づけ、
付き添いをしている家族にとっても
大きな支えとなっている。 

ファシリティドッグの普及に取り組む
認定NPO法人「シャイン・オン!
キッズ」の担当者によると、
平成22年1月に静岡県立こども病院が
国内で初めてファシリティドッグを
導入、24年7月からは神奈川県立
こども医療センターで緩和ケアチームの
一員として活動を開始した。

病院訪問客からは「ベイリーの存在に
よって病院の医療スタッフも笑顔に
なるため、病院の雰囲気が良くなった」
という声も多いという。 

当初は、衛生面や危害を加えるのでは
ないかという懸念もあった。しかし、
長期間にわたって訓練を受けた犬の中で
穏やかな性格のものをファシリティ
ドッグとして育成。

さらに病院内では「ハンドラー」と
呼ばれる指導係が常に付き添っている。
グルーミングやシャンプーなどを
頻繁に行い、常に清潔な状態でいる
ことなどから、「苦情は0件」
(同センター)という。 

  ◆普及にハードル 

しかし、普及には高いハードルが
存在している。1頭当たり年間
約900万円といわれる費用負担に加え、
トレーニング施設が国内には存在しない
ため、ファシリティドッグの確保が
困難な点もネックとなっている。

また、癒やし効果を検証するために、
臨床結果データの蓄積も課題になると
いう。NPOの担当者は
「協力病院や訓練場所の確保を進め、
5年以内に国内育成施設を立ち上げたい」
としている。 

視察を終え、「ファシリティドッグ
公式大使」に就任した安倍昭恵さんは
「重い病気と闘う子供たちがベイリーに
会うと、笑顔になる姿が印象的だった。
皆さんに知ってもらえるよう普及活動に
取り組みたい」と話している。