わんちゃんホンポ 2016年10月27日 更新
保護犬を迎える
私たちがフレンチブルドッグの
"かんな"と出会ったのがちょうど
一年前の事。
里親を募集するwebサイトでみつけた、
"水頭症のボストンテリアの子犬"を
引き取ろうと決めたのがキッカケ
でした。
そのサイトで、動物保護のボランティアを
されている方と出会い、何度も電話で
やり取りをしたんですが、結局その時は
他の希望者の方に決まって
しまったんです。
後日、別の案件で保護された
フレンチブルドッグの"かんなちゃん"を
我が家にお迎えすることが決まりました。
我が家にかんなが
やって来た
とにかく急ぎの保護だったため、
かんなに関する情報は写真だけ。
身長も体重も正確なことは分からず、
そんな中、とりあえず用意したのが、
お皿、ペットシート、トイレ、簡易ゲージ、
毛布、ドッグフード、犬用シャンプー、
爪切り、ブラシ、でした。
そしてついに、やって来ましたかんなちゃん!
私は子どもの頃に実家でマルチーズを
飼っていたのですが、犬の飼育に
関しては、ドがつく素人!!
『犬』とは、自分よりも小さくて、
はかなくって、赤ちゃんみたいなものと
勝手に思い込んでいたので、
かんなを初めてみた見た瞬間、
「でっっか!そして力、強っっよ!
ムリムリムリ~こんなの
育てられるの~?!」
と、自分の中で数週間で築き上げた、
『可愛らしいワンコ像』は、一瞬で
打ち砕かれたのでした(笑)
その日から始まった
恐怖の試し行動
少し前に最終回を迎えた、養子縁組を
テーマにしたドラマ、
『はじめまして、愛しています』を、
みなさんご覧になられましたか?
このドラマの中で主人公である
梅田夫妻が、育ての親になることを
決意し、ついに六ヶ月の
「試験養育期間」がスタートします。
”はじめ”くんは、梅田家に来て早々、
家中にオレンジジュースやケチャップを
ばらまき、美奈に噛みついたり、
様々ないたずらをしていましたね。
これは、”試し行動”と言うんだそうです。
それ、、なんと!ワンコも同じことするんです。
うちの場合は、夜になると、かんなは
リビング内のゲージの中で、
落ち着かせるよう上から毛布をかけ
部屋を暗くし、自分達は二階で
就寝していました。
しかし、初めての夜から毎晩毎晩、
夜中中吠え続けうんちをし、それを
食い散らかし、踏みつけ、体に
擦り付け、暴れまわり、オシッコも
しまくり、朝になって上から降りてくると
リビングが糞尿の匂いでむせかえり、
かんなとゲージがうんちまみれ、
周りにまでうんちが飛び散っていました!
(新築なのに…)
計四回のハウス替え(うんちとの戦い)
一週間の間に様々なことを試しました。
どうしたら落ち着いてくれるのか、
どうしたら私たちを信じ、夜、
スヤスヤ眠ってくれるのか。
きっとかんなにとっては、住み慣れた
我が家を離れ(元々が別の家庭で
飼われていたワンコでした)、
知らない町の知らない人の家に
連れてこられ、きっと私たちのことを
鬼のように思っていたでしょう。
もともときちんとしつけされていた
子ですが、そんなことすべて忘れて
しまったかのように、とにかく
一からの新生活。
私たちもかんなに対して、
一からしつけをすることにしました。
クレートトレーニング
クレートを導入し、まずはクレートは
安全な秘密基地だということを
教えました。
狭かったゲージをやめて、
もともと子供用に使っていた
ベビーベッドを改造し、新たなハウスを
作りました。
それでも狭かったのか、何度も
トイレを失敗するので、思い切って
リビングの半分に、1500×1500の
大きさのラティスで頑丈なサークルを
作りました。
寂しさを乗り越えたかんな!
今では
大きなサークルにしてからは、
寝る場所、トイレの位置がはっきり
しているため、ほぼ失敗なくそこで
出来るようになりました。
また寝る際も、クレートの狭い場所が
落ち着くようになって、今では来た
当初に毎晩聞いていた遠吠えが、
もう一生聞けないんじゃないかと
思うほど落ち着いて、グースカ
寝息を立てて寝ることができるように
なりました。
今でもたまにウンチは食べますが、
それは食糞についての別の記事で
また。
保護犬を迎える心構え(改)
私たち家族はかんなと出会う前、
どこか保護犬のことを軽く考えて
いたのだと思います。
『人間の都合に振り回されてきた命を
助けてやる』、『救ってやるんだ
偉いだろー』と、傲り高ぶって
いただけだと思います。
彼ら彼女らの心を知っているようで
全然知らなかった。
かんなを迎えた最初の一週間は、
私たちにとってまさに地獄でした。
軽く考え、傲り高ぶっていた自分を
心から反省しました。
毎日の掃除と犬用毛布の洗濯、
世話に手もカッサカサになったころ、
かんなに対して心から可愛いと、
娘のようだと思うようになったのです。
おわりに
私たちは、かんながどんな生活を
してきたのかは知りません。
ただ、たまにとても怯えたような
そぶりをします。
もしかすると、かんなにはなにか
とてつもなく恐ろしい記憶がトラウマと
なって残っているのかもしれません。
一年間彼女と一緒に暮らして、
我が家ではもう、辛かったことよりも
楽しい思い出がグググーン!と
超えました。
すぐには信じてもらえなかったけど、
楽しいことや辛いこと、なんでも
あって家族なんだということが
わかりました。
犬の人生を"犬生"と言うのだそう
ですが、
かんなの”犬生”の中で私たちが
最後の飼い主になる!
その覚悟がやっとできたのでした。