命を奪われる側から、救う方に-。
徳島県動物愛護管理センターが、
一時保護や殺処分のため収容された
犬の中から災害救助犬や人の心身を
ケアするセラピードッグを育てる
取り組みを進めている。
自治体としては全国初。
「サーチ!」。
指示の掛け声とともに雑種犬
「モナカ」が土を蹴って駆けだした。
同県板野町の野外訓練所。
災害現場の活動を想定した訓練だ。
「ワンワン」。
物陰へ隠れた訓練士をすぐに捜し当て、
飼い主の岡本沙南さん(19)に
ほえて知らせた。
モナカは1歳ぐらい。
2015年6月に同県阿南市の路上で
保護された。
物おじしない性格などの適性を
見いだされ訓練所へ。
岡本さんは当時通っていた専門学校に
なじめず悩む中、
見学に訪れた訓練所で偶然
モナカと出会った。
「挑戦せずに後悔したくない」。
自宅に引き取ってハンドラー(指導手)
を目指すと決意。
学校を辞め、県の認定試験に
向け訓練を始めた。

「モナカ」と訓練に励む
岡本沙南さん
=2015年12月、徳島県板野町