山形)犬用車いす、製作販売3年目 長井の石田機械 | トピックス

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2015年11月14日03時00分朝日新聞デジタルより


石田機械が製造している
犬用車いす
=石田機械提供

病気や事故で歩けなくなった
犬のための車いすを、
長井市平山の「石田機械」が製作し、
販売している。

犬好きの石田祥二社長(73)が
獣医師から頼まれて始め、
今年で3年目。

注文はこれまで7台程度だが、
従業員たちは
「散歩好きの犬と飼い主の思いを
かなえたい」と出張サービスにも
取り組んでいる。

 石田機械は社員5人の
小さな会社だ。

狩猟が趣味で狩猟犬を飼っている
石田社長が2年前、
愛犬のイングリッシュセターを
動物病院に連れて行ったとき、
獣医師から
「動けなくなった犬のため
車いすを作って欲しい」と
頼まれたことが、
製作のきっかけとなった。

 県内で犬用車いすを扱っている
店は少ない。

創業から40年近く機械や
機械部品を製造している技術を
見込まれての依頼に、
「新しい分野に挑む良い機会」と
承諾したが、
「動物相手は大変だった」と振り返る。

 最初に作った車いすは、動物病院に
入院していたラブラドルレトリバーの
老犬用のもの。

軽くて丈夫なアルミ材を使って
試作品を完成させたが、
犬の体重を支えきれず
、犬が歩き出す前に壊れて
しまったという。

 次の依頼は米沢市の飼い主。

事故で後ろ脚がまひしてしまった
ホワイトテリアで、
「小型犬で軽かったのでうまくいった」と
従業員の船山利秋さん(35)。

だが、散歩好きで車いすを着けると
走り出し、曲がった時に
バランスを崩し転んでしまったという。

 そのため、車体に車輪を着ける際に
角度をつけてバランスを保つよう
改良を加えた。

石田晋さん(44)は
「今ではそれぞれの犬の体に
合わせ、四輪にするなど工夫
しています」と話す。

 今年の夏には、福島県から
連れられて来た体重約40キロの
ラブラドルレトリバーのため、
従業員総出で1日がかりで
車いすを作った。

最初は「商売チャンス」と
考えていた石田社長も、
「歩けなくなって体が衰え、
世話が大変になったという理由で
犬を手放す飼い主もいると聞いた。
うちで作る車いすが役に立てば
うれしい」と話している。

 車いすの値段は
小型犬で2万5千円~、
中型犬で3万5千円~、
大型犬で5万5千円~。

犬の体に合わせた
オーダーメイドで作る。

置賜、村山地域など近隣には
無料で出張している。
問い合わせは石田機械
(0238・84・3
656)へ。(井上潜)