ペット飼える住宅を無償提供へ 常総の被災者につくばの旧公務員宿舎 | トピックス

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関東・東北水害により
常総市内の自宅が被災したものの、
ペットを飼っているため、
新たな住宅の確保が思うように
進まない市民がいる。

そんな被災者に対し、
関東財務局筑波出張所は、
つくば市の旧国家公務員宿舎
「並木3丁目住宅」の一戸建て
住宅約三十戸を無償で提供する
方針を固めた。 
(増井のぞみ)

 県と常総市は、被災者向けの
仮設住宅を建設しないことを決め、
自宅が全半壊した世帯に、県営住宅や
国家公務員宿舎など
公営住宅約百十戸を無償で提供してきた。

仮設住宅を建設しない理由について
県住宅課は「被災者に、なるべく
早く入居してもらうため」と説明する。

東日本大震災では、ペットが飼える
仮設住宅も建設されたが、
今回、こうした公営住宅で
ペットを飼うことは禁じられている。

 大震災で自宅にペットが
取り残された教訓から、
環境省はペットを連れて避難する
同行避難のガイドラインをつくったが、
市内でペットを飼う世帯は、
住宅の公的支援から外れる形に
なっていた。

ボランティアなどによる一時預かりは
一、二カ月が限度で、常総市内には、
ペットが飼える民間のアパートもない。

 常総市原宿の
晝間(ひるま)きよ子さん(67)は、
床上浸水した自宅の二階に猫四匹を残し
、避難所から餌を与えに帰っている。

今月十五日、市から今月末を目途に
避難所の閉鎖を通告されたが、
自宅は住める状況になく
「猫は家族の一員。
もう少し時間的な余裕がほしい」
と訴える。

 同市相野谷町の自宅が
床上浸水した日系ブラジル人三世の
柴田キヨシさん(35)は、
避難所の敷地内にテントを張り、
犬五匹と暮らしている。

午前二時ごろ、寒さで目が覚めるが
「犬は子どもと一緒」と笑う。

「外国人なのでアパートを
見つけるのも難しい」

 こうした状況を知った動物愛護団体が、
関東財務局筑波出張所に住宅の
提供を要望、財務局が県に連絡し
了承を得た。

東京電力福島第一原発事故による
福島県からの避難者が入居しており、
県動物の愛護及び管理に関する
条例に基づきペットを飼うこともできる。

 一九七六、七七年に建てられたもので、
設備は古いが、約三十戸のうち
十数戸は比較的、早く提供できるという。

入居期間は二〇一七年九月までを
予定している。

県は、住宅の詳細な情報を把握後、
入居者を募集するという。

 筑波出張所の居城(いしろ)光雄所長は
「ペットの受け入れについて
県から照会があれば、もっと早く提供できた。

国有財産を活用し、被災者の役に
立ちたい」と話している。