飼っていた犬数十匹のふん尿やゴミを、
自身の所有地に大量に投棄したとして
千葉県警は、廃棄物処理法違反容疑
(不法投棄)で、千葉市美浜区に住む
派遣社員・檜山健二容疑者(41)を
逮捕した。
檜山容疑者は5年間にわたり、
ビニール袋に詰めたゴミをほとんど
片付けずに庭に投棄。
その量は117トンにも及んだ。
近隣住民などからは、悪臭がすると
苦情が寄せられていた。
檜山容疑者の逮捕容疑は、
2010年10月19日ごろから
今年9月7日まで、千葉県多古町の
所有地に犬のふん尿や新聞紙などが
入ったごみ袋117トンを山積みにして
投棄した疑い。
ごみは周辺の道路や田畑にも
はみ出しており、下に埋もれた袋は
破損し、中身が流出していた。
県警生活経済課によると、
檜山容疑者は2008年に
動物取扱責任者の資格を取得。
ペットショップ経営を経て、
ブリーダーを営んでいたという。
多古町の所有地には平屋の一戸建てがあり、
その中にゲージを置いて犬を
飼育していた。
だが、徐々に商売がうまく
いかなくなり、13年の免許更新は
行っていなかった。
過去にもゴミをためており、
10年にも一度、同町からの指導で
撤去したことがあったが、
檜山容疑者によると
「その後は何回かは処理したことが
あるだけ」。
ふん尿と、ゲージの下に敷いていた
新聞紙のゴミが入ったゴミ袋は、
たまりにたまって117トン。
重量は、国宝に指定されている
神奈川県鎌倉市の高徳院にある
高さ約13メートルの鎌倉大仏
(約121トン)とほぼ同じで、
近くに住む男性(67)は
「積み上がったごみの袋で家が
見えないほど」と話した。
所有地付近には住宅が点在し、
小学校の通学路もある。
周辺の住民などからは
「ひどい臭いがする」と苦情が
上がっていた。
これまでにも同町は、何度も文書で
片付けるよう指導していたが、
従わなかったため、
県警や県の担当者が9月下旬に
所有地を訪れ、ゴミを撤去した。
檜山容疑者は「片付けるお金が
なかった」と説明したという。
ただ、撤去の際に室内で飼われていた
36匹の犬は、同課によると
「えさも与えられていたようで
、健康状態に問題はありませんでした」。
今後は保健所を通じて、動物愛護センター
などに引き取られる。
同町は、ゴミ処理にかかった費用、
約50万円を檜山容疑者に
請求する予定。

犬のふん尿などが大量に
投棄されていた現場。
現在は撤去